なぜ大晦日決戦を前に4階級制覇王者の井岡一翔は「勝利への自信が確信に変わった」と豪語したのか
プロボクシングの4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(31、Ambition GYM)が24日、オンラインで3階級制覇王者で前WBO世界フライ級王者、田中恒成(25、畑中)との大晦日決戦(大田区総合体育館)に向けての公開練習を行った。100ラウンドに及ぶスパーを消化し井岡は「格が違う」「自信が確信に変わった」と豪語。新型コロナに感染した影響で来日できなかったイスマエル・サラス・トレーナーも当日のセコンドにはつくことができる予定で不安要素は消え去った。田中もSNSに凄い肉体を披露するなど好調をアピール。大晦日にふわしい名勝負必至のビッグマッチとなりそうだ。
「格の違い、レベルの違いを見せる」
井岡の公開練習はトレーニングに取り入れ始めた「ピラティス」の動きを取り入れたものから始まった。肩や首、そして股関節と上半身の連動を意識した運動を終えた井岡は、ワンツー、アッパーの形を確認する軽いシャドーボクシングを披露した。 「ピラティスは頭と体を連動させるのでボクシングの動き的に重要なものや新しい発見も多い。調子のいい状態に仕上がっている。応援、期待をしてくれている方たちにいいパフォーマンスを見せて勝って今年最後の日に日本を盛り上げる試合をしたい」 4階級王者vs3階級王者の注目のビッグバウトのゴングまで1週間を切った。 「勝つのは、もちろん。結果にこだわってやりたい。ずっと言ってきたが、内容的にはレベルの違い、格の違いの差をどの部分で戦っても見せられる。状況判断で戦えればいい」 王者の井岡はカード発表会見の際に強気発言を連発させていたが、その自信は揺るがない。いやむしろ深まったと言っていい。 「自信は変わっていない。確信に変わっています」 確信に変わった理由は、ここまでの準備にある。 「どんな状況でも試合に向けてやることは変わらない。コンディションを作るのがプロであり世界王者の責任だと思う。元々の強さに自信がある。いろんな要素を含めて、その気持ちになれている」 新型コロナ禍で調整環境が変わった。これまでは米国ラスベガスでサラス・トレーナーの下で試合直前まで集中的に調整してきたが、今回は渡米できず、サラス・トレーナーも新型コロナに感染したため来日することができなかった。スパーリングの映像を送り、LINEで日本語、英語で指示を受ける太平洋を隔てたオンライン指導となったが、「特に問題はなく実際にスパーを見てアドバイスをもらっている感じでできた」という。 「調整していく前は不安点もあったが、いろいろな方の協力があっていつもと変わらず調整ができた。なるべくラスベガスキャンプでやっていることをベースに、この環境でできることをやってきた」 当日のセコンドにはサラス・トレーナーが来日して付く予定で「心強い」という。