日銀・黒田総裁会見3月18日(全文2)今後も粘り強く緩和を続ける必要がある
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の18日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁、金融政策決定会合後に定例会見(2022年3月18日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁、金融政策決定会合後に定例会見(2022年3月18日) ◇ ◇
所得と雇用の改善、春闘への見解を伺いたい
読売新聞:すいません、読売新聞の【セキネ 00:27:05】と申します。2点お願いしたいんですけれども、冒頭、所得と雇用の改善について、改善は続いているけども全体としては弱いというご評価をされていましたけれども、このところの春闘も含めて、総裁のご見解、評価をちょっと伺いたいと思います。 もう1点なんですけども、金融政策なんですけども、2%の安定的な達成までYCCを続けるという形にしていらっしゃいますけれども、4月以降は当分2%程度の伸びが想定されると冒頭おっしゃっていましたけれども、そういった中で長期金利を0%に維持するということ自体も続けるとお考えでいらっしゃいますでしょうか。 黒田:まず経済全体の状況について、最初に申し上げたとおり、感染症の影響などから一部に弱めの動きも見られるが、基調としては持ち直しているということで、弱めの動きというのは典型的にはコロナ感染症、いわゆるオミクロン株が今年に入ってかなり拡大して、公衆衛生措置も取られて、それが特にサービス消費の関係に下押し圧力として効いて、足元、消費が弱めだったということが基本的にこのところの経済の弱めの動きを示していますけども、他方で企業収益とか、企業マインドとか、設備投資動向とか、そういうものはかなりしっかりしておりますので、そうした中でまだ春闘、終わっていませんし、これから中小・中堅企業にどのように賃金上昇が波及していくかということも見ていかなければなりませんが、これまでのところ、製造業を中心に大企業の春闘の回答ぶりというか、賃上げぶりは久方ぶりにかなり高めになっていると。 これはある意味で経済が基調的に回復してくる中で、企業収益も伸びている。そうしたことも背景にあったのではないかと思いますけども、まだ春闘全体の評価をうんぬんするのは時期尚早だと思いますけども、これまでのところは比較的順調に賃上げが進んでいるようにみております。 それから先ほど来申し上げているとおり、欧米の場合と違って物価が足元で0.6%程度で、4月以降、2%程度になる可能性はあるわけですけども、そのいわば大半が国際商品市況というか、エネルギーや食料品の輸入価格が上昇することによって起こってくるような状況ですので、当然金融を引き締める必要もないし、適切でもないと。もちろんよくいわれていますように、エネルギー価格とかそういうものが、輸入価格が上昇し、それが物価を押し上げて、その下で予想物価上昇率も上昇していく、あるいは賃金もどんどん上がっていくと。