日銀・黒田総裁会見3月18日(全文2)今後も粘り強く緩和を続ける必要がある
円安の影響が大きい場合、すべきことはあるのか
ブルームバーグ:ブルームバーグニュースの藤岡です。先ほどお答えになった、そういったことは想定されていないというお答えになるかもしれないんですが、円安について、今後、円安が進んでいく、もしくは円安の日本経済に与える影響がマイナス、大きいとなった場合に、日銀が物価目標を達成していない状況の中で、それに対して何かできること、すべきことっていうのはそもそもあるんでしょうか。 黒田:ご承知のように、為替政策ですね、介入も、それから外貨準備の運用も含めて、財務省の権限であり、責任でありますので、日本銀行が為替を上下するような政策を取る必要もないし、そういう権限もありませんので、今の点はむしろ財務省の方にお聞きいただいたほうが。ただ、もちろん、先ほど来、申し上げているとおり、為替の動きというのは経済・物価に影響しますので、十分注視をしていますし、それから、従来からいろいろな分析もお示ししているわけでして。ただ、それを超えて何かものすごい円高になったらとか、ものすごい円安になったらとかいうのは、それは財務省にお聞きいただいたほうがいいんじゃないかと思います。 ブルームバーグ:ごめんなさい。もう1点よろしいですか。 黒田:はい。 ブルームバーグ:すいません。マーケットの中では根強く、日銀が正常化に向かうんじゃないかっていう見方が一部にはあるんですけれども、そういうところにもやっぱり、Fedとか、ECBを見ていて、Transitoryというのがあったあとに結局はタカ派的な方向に。もちろん景気の強さとか、そこはまったく違うんですけれども、ただ、今後、2次的波及のことは先ほど言及されましたけれども、日本なりに物価が高い、日本なりに賃金は、要するに7%、8%とはいわなくても、いいとなった場合に、そういった状況に追い込まれて日銀が政策に変更を強いられるような可能性については、今の時点では特に。 黒田:それはちょっとなさそうですね。どうぞ。