日銀・黒田総裁会見3月18日(全文3完)円安が全て経済にマイナスになるというのは間違い
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の18日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁、金融政策決定会合後に定例会見(2022年3月18日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁、金融政策決定会合後に定例会見(2022年3月18日) ◇ ◇
金融政策を引き締める必要もない
黒田:ですから今回も国際商品価格の上昇による、持続的でない、一時的な物価上昇に対しては金融政策を引き締める必要もないし、むしろ日本経済がコロナから回復している途上ですので、今後ともそれをサポートするような金融緩和を続けていくのが必要であるというふうに思っております。 為替については先ほどお話ししたとおりであります。経済全体としては、GDPとか、物価に対してプラスになるという構図は変わってないと思いますけれども、企業規模とか、それから家計とかに対する直接的な影響は必ずしもプラスじゃないということはそのとおりでありまして、そういったことにも十分注意していく必要があるというふうには思いますけれども、円安が全て経済にマイナスになるというのは間違いだというふうに思います。少なくとも現状において、そういったことは分析で示されているとおりであります。 NHK:すいません、幹事社です。予定されていた45分を過ぎておりますので、残り今、手をあげていらっしゃる方で質問終わりでよろしいでしょうか。 黒田:はい。どうぞ。 NHK:お願いします。
政府の対応は適切なのか
毎日新聞:すいません、毎日新聞の竹地と申します。今、政府のほうでガソリン価格の抑制策が実施されようという議論がありますが、そういった面では、物価面で上昇を抑えるというふうに働くと思います。ただ、今、総裁がずっとおっしゃっているようにコストプッシュの上昇というのは経済を下押しするというようなこと、一時的になのかあれなんですが、そういうことを考えますと、こういった政府の政策対応っていうのは適切なのでしょうか。どのようにこういった対応を評価されていますか。 黒田:私自身は、個人的には適切な政策だと思いますけどもね。というのは、急激に、かつ、異常にガソリン価格などが上がるということは、家計に対する影響とか、企業に対する影響を考慮すると、その影響を緩和するということは適切な政策だと思います。それが何か経済全体にとって何かマイナスになるということはないと思いますが、他方でもちろんそれは財政負担を増やすという、財政の支出を増やすということになりますので、財政状況との兼ね合いっていうか、財政状況への影響というものももちろん勘案する必要はありますけども、現時点でそういった措置を取るということは、経済政策として適切だというふうに思いますけどね。