メイウェザーが来年2月28日に東京ドーム総合格闘技イベント「MEGA」参戦決定。注目対戦相手は朝倉未来が最有力
朝倉は総合ファイターだが打撃系が武器。過去に元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏(40)のアドバイスを受けたり、今年のYouTubeの企画では、プロボクシングのWBA世界ライトフライ級スーパー王者、京口紘人(26、ワタナベ)とコラボしてスパーリングもした。「打撃もいろんな格闘家とコラボすることで、これまでと違う境地まで来た」との手ごたえを感じている。その朝倉であれば、総合格闘家にとっては、ハンディキャップマッチとなるボクシングルールとなっても対応はできるのかもしれない。 加えて那須川戦で最大の障壁となったウェイトの問題も朝倉ならクリアできる。朝倉は、RIZINでは、減量をしてフェザー級の66キロで戦っているが、通常体重は、73~75キロある。今回の試合の契約が何キロになるのかわからないが、メイウェザーのボクシング時代の主戦場のひとつだったスーパーウェルター級のリミットは69.85キロ。おそらくメイウェザーは70キロ以上のウェイトを望むだろうが、那須川ほどのウェイト差によるハンデはない。 メイウェザーはリモート会見で「いつものようにたくさんトレーニングをして努力をして人々が見たいものを見せてあげるという心意気で向かう。ちなみに前回日本でパフォーマンス(那須川戦)をしたときは、そこまでの練習をせずだらしない体だった。だが、今回は、シェイプし仕上げていくので楽しみにしてくれ」とも語った。 メイウェザーも大きな体重差のあった那須川との試合とは違ったものになることを自覚しているのだろう。 東京ドームでの格闘技イベントは 2005年11月の「K-1 WORLD GP」以来、実に15年ぶりとなる。政府が来年2月末まで大規模イベントの客入れは50%に制限する指針を示したため、おそらく2万人ほどの集客になるだろうが、格闘技ファンにとっては、待ちに待ったMEGAイベントになることは間違いない。主催者はメイウェザーのメインカードだけでなく「様々な団体のチャンピオンクラスを集めた試合にしたい」とのプランを示した。 また試合の中継などは、「決定次第報告する」とされたが、来年の2月28日は日曜で、そのスケジュール設定は、全米の格闘技ファンがテレビに釘付けとなる土曜日のプライムタイムに合わせた全米中継をも視野に入れたものと考えられている。 「日本だけでなく世界が最大級に盛り上がるイベント」の謳い文句に嘘はない。また収益の一部は、新型コロナと最前線で戦う医療従事者への寄付に充てられることも発表された。 メイウェザーは最後に「もうひとつつけ加えさせてくれ」と言い、「新型コロナの影響で遅れたが、来年は東京五輪も行われる。『おめでとう』と伝えさせてくれ」と殊勝な言葉で会見を締めくくった。ただ1試合で100億円を稼ぐ“ザ・マネー”だけに、たとえ正式契約を結んだとはいえ、試合のゴングが鳴るまで何が起こるかわからない。そのお騒がせぶりもまたメイウェザーの魅力。さっそく最後に予定されていたフォトセッションは中止になっていた。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)