「つらいかな」と思ったら、心のサイン。仕事、家事、育児、介護……心の専門家に聞く、バーンアウトを防ぐ方法
「ミドルエイジが自分らしく、安心して働き続けられる環境づくり」を目指し、定期的に社内イベントを主催している株式会社ユーザベースの社内コミュニティー「oliveto(オリベート)」。 活動開始2周年を迎えた2024年10月、メノポーズ週間にトークセッション&交流イベントを開催しました。テーマは、「心の専門家に聞く、心の余白のつくり方」。 ゲストは、企業内健康管理室カウンセラーとして現場経験が長い、公認心理師の大野萌子先生と、39万フォロワー突破のX(旧ツイッター)が人気の精神科医Tomy先生です。
方向転換を考えつつも、体力不安を抱える40代
昨年に続き2回目の開催となった、メノポーズ週間のイベント。先生方を交え全員で乾杯して、アットホームな雰囲気で始まりました。 仕事でも家庭でもついつい頑張り過ぎてしまうミドルエイジ。忙しさのあまり、「心の余白」がどんどん削られ、自分自身に対してはもちろん、そばにいる大事な人にも優しくする余裕が失われている人もいるのではないでしょうか。 心の余白はどうしたら生まれるのか──。 そう考えながら先生方のお話を伺っていると、ミドルエイジが心の余白を失っていく過程に、ある思考パターンがあることが分かりました。そのキーワードが、「ミドルエイジクライシス」です。 大野「40歳前後になると『今のままでいいんだろうか』といった葛藤を抱える傾向が見られます。 例えば、フランスの画家のポール・ゴーギャンは、40代の初め、妻子を捨ててフランスからタヒチ島に渡って新しい世界を切り開きました。 彼のように、40歳前後から視点や生活環境を変えて、今までとは全く違う世界を求めるようになることを“ゴーギャンコンプレックス”と呼びますが、まさにこうした思考パターンに陥る人が少なくありません。
【大野萌子(メンタルアップ支援機構代表理事、公認心理師)】 一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャⓇ資格認定機関)代表理事、公認心理師、産業カウンセラー。 企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。 内閣府などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関等で、6万人以上に講演・研修を行った実績あり。 著書「よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑®」(サンマーク出版)はシリーズ51万部超のベストセラー。