都立病院の「独法化」 何が変わるのか?
公立病院は独法化すべきか?
改めて問う。東京は圧倒的に医療機関が多い。その多くは民間病院だ。その中で行政が担うべき医療の仕事は何なのか。 行政は民間活動に対し「規制」「助成」「補完」をする役割があり、それでも民間活動に馴染まない部分は「直営」する役割を持つ。都立・公社病院は都内の感染症病床数の30%を担っている。民間病院ではサービス提供が不十分な部分を「補完」し、民間ではやらない不採算部門などを積極的に引き受け「直営」するのが行政、すなわち都政の役割ではないのか。 地下鉄の東京メトロは黒字、なぜなら採算のとれる路線だけやるから。他方、都営メトロは赤字、なぜなら条件不利地域でも都民の足を保障するのが役割だから。分野は全く違うが、交通事業も医療事業も同じ地方公営企業として扱われて来た点は同じではないか。 こうした枠組みで考えた時、全て一律に都立・公立病院等15機関を独法化するのが良いのか。ある病院は都立のまま残し、高度医療などコストの高い医療サービスを引き受ける、そうした選択はないのか。地方自治の原点に立ち戻って考える必要があるかもしれない。