敵将が大谷翔平スプリッターを「コールの速球、ビーバーのナックルカーブ匹敵のメジャー3大スペシャル球のひとつ」と絶賛
エンゼルスの大谷翔平(26)が4日(日本時間5日)、本拠地アナハイムで行われたマリナーズ戦に今季5度目となる“リアル二刀流”「2番・投手」で先発、6回76球を投げ4安打10奪三振2失点で4月26日レンジャーズ戦以来の今季2勝目を挙げた。初回にいきなり先頭打者のJP・クロフォード遊撃手(26)に148キロのストレートを右翼席に運ばれたが続くハニガーからイニングをまたいで4者連続三振。3回一死三塁から再びクロフォードに左犠飛を許したが、メジャー初の無四球で試合をまとめた。この日奪った10三振中、7三振がスプリッター。打者としては、併殺打、四球、遊ゴロの2打数無安打だった。チームは8回に無死満塁のピンチを迎えたが、クローザーのライセル・イグレシアス(31)が緊急救援に成功し3-2で逃げ切った。米地元メディアも敵地のシアトルメディアも揃って大谷のピッチングを様々な角度から絶賛した。 敵地のシアトル・タイムズ紙が注目したのは、大谷のウイニングショットであるスプリッターだ。敗戦を伝える記事の中で大谷について「マリナーズは、同じ日に投げて打つ大谷の脅威を初めて味わった。過去のレギュラーシーズンのマリナーズ戦での大谷は、どちらか一方のみだった」と触れ、リアル二刀流の登板内容をデータを交えてこう絶賛した。 「彼は15スイングの空振りを奪い、そのうち8つはマリナーズの打者にとって衝撃的だったスプリットフィンガー・ファストボールだった」 そして同メディアは、マリナーズのスコット・サービス監督の試合後談話を紹介した。 「大谷は我々の野球界の中でスペシャルなボールのひとつを持っている。スペシャルなボールとは(ゲリット)コールの速球であり(シェーン)ビーバーの変化球で、大谷のスプリットフィンガーは、それに劣らない。今夜のようにストライクを取り、ゾーンの下に落ちるように投げて制球できているときは、本当に(攻略が)難題となる。(10の)三振は多すぎたかもしれないが、ああいう球は、このリーグで見ることは少ない。我々の選手たちは彼の速球には(タイミングは)合っていたのだ。ただスプリッターでアウトを奪われた」 敵将が大谷のスプリッターと比較した一人がヤンキースのエース右腕のゲリット・コール(30)だ。武器であるフォーシームの平均球速は150キロ台後半で最速は163キロ。2019年にアストロズで最優秀防御率&最多奪三振タイトルを獲得し、そのオフにヤンキースと投手史上最高額となる9年総額3億2400万ドルで契約したメジャーを代表する投手の一人で、今季史上2番目の早さで通算1500奪三振を達成。5月17日のレンジャーズ戦で無四球での61連続三振のメジャー記録を樹立した。まだエンゼルス対ヤンキースの今季対戦はないが、彼も「大谷ファン」を明らかにしている。