遺恨なし…全米メディアは”あわや乱闘”騒動での大谷翔平の冷静対処に注目「怒りの中で平然」「劇的瞬間を乗り越える」
エンゼルスの大谷翔平(26)が投手専念した今季7度目登板は波乱に満ちたものになった。底冷えする敵地で28日(日本時間29日)に行われたアスレチックス戦の3回無死一塁。大谷がマーク・カナ(32)に投じた2球目の約150キロのストレートが頭付近に抜けたため、このトップバッターは何やらわめいて激高した。捕手のカート・スズキ(37)がカナを止めに入ったが両軍がベンチを飛び出て、あわや乱闘の騒ぎになった。大谷は笑顔を浮かべ胸付近を右手で叩いて謝罪の意を示して事態は収まったが、場内は大ブーイング。さらに大谷は6回無死一塁で迎えたカナの次の打席で今度は背中にぶつけた。投げた瞬間に大谷がバランスを崩して膝をつくなど報復の意図がなかったことが明らかだったためカナも笑いながら一塁へ歩いたが、敵地は再び大ブーイング。なお大谷は7回に勝ち越しを許して降板。6回0/3を投げ3安打5奪三振3失点で今季初黒星を喫した。全米メディアが注目したのは、騒動に冷静に対処した“二刀流スター”の姿だった。 大リーグ公式サイトは「オークランドでの大谷は怒りが爆発する中でも平然としていた」との見出しを取り、3回のあわや乱闘になりかけた場面と大谷がどう対処したかを伝えた。 記事は、「カナは頭の近くを投球が抜けた後に『カモン、ショー』と声を出したように見え、捕手のスズキは不快感を抱いた。だが、大谷は冷静さを保ち、直球が高く抜けてしまったことを謝罪するためにカナに向かって右腕を上げた。大谷は、すべての事態の間も冷静で、カナとスズキが言葉を交わしているときは、マウンドで笑みを浮かべ、次の投球のためにボールが手元に戻ってくるのを待っていた」と、大谷の様子を描写した。 また6回の死球の場面についても「信じられないことに、大谷は6回無死一塁で迎えたカナとの次の対戦でカウント1-0から直球を背中にぶつけた。大谷は投げた直後によろめいて膝から落ちた。ぶつける意図がなかったのは明らかだったため、カナも冷静に受け止め投球に対して腹を立てることもなかった。大谷もぶつける意図のないアクシデントだったとの仕草を見せ、カナは一塁で笑顔さえ見せた」とレポートした。 同メディアは、アスレチックスのボブ・メルビン監督の「この一件は選手たちのその場の勢いに過ぎなかった」という談話と、スズキの「カナとエンゼルスの間に個人的なもの(遺恨)はない」というコメントを紹介し両軍に遺恨が残っていないことを明かした。