広島・新井貴浩監督

　フリーエージェント（FA）の選手や外国人助っ人はもちろん、メジャーから復帰した選手も加わり、オフの動きで勢力図が変化しているプロ野球。来季へ向け期待感が膨らむチームがある一方で、補強の有無に関わらず“不安”が漂うチームも存在している。 【写真】パ・リーグで「低迷の予感漂う球団」がこちら 　ストーブリーグの動きも少しずつ落ち着き始めてきた。この先は2月のキャンプインへ向け外国人補強を中心に来シーズンの陣容も固まってくる。その中で、今季の最下位球団となった2チームには上昇の気配があるという。 「今季はセ・リーグで中日、パ・リーグでは西武が低迷した。しかし両球団は好投手を数多く擁しており、若手の野手も育ちつつある共通点がある。最下位からいきなりの優勝争いは難しいだろうが、近年のような低迷も考えられない。上昇気配を感じるのは同じで、楽しみな球団と言える」（在京球団編成担当） 　中日は球団の“レジェンド”立浪和義監督のもとで3年連続最下位に終わり、来季から井上一樹監督が新たに指揮を執る。戦力的には、投手では先発ローテの一角である左腕・小笠原慎之介がポスティングでのメジャー挑戦、抑えのライデル・マルティネスはライバル巨人へと移籍した。 　しかし、リリーフを中心に投手力は高く、先発も今やリーグ屈指の投手となった高橋宏斗に“即戦力ルーキー”と呼び声の高い金丸夢斗が加わった。大野雄大、柳裕也など実績のある投手が奮起すれば他球団に見劣りはしない。また、長年の課題である野手も細川成也、石川昂弥、岡林勇希、田中幹也などが戦力となり「20代野手陣の活躍次第では……」（中日OB）と今後に期待を抱く人は多い。 　西武も西口文也新監督を迎えて巻き返しに向け必死。エース・高橋光成は今季0勝に終わったが本来は考えられないこと。開幕投手に指名された今井達也との2枚看板が機能すれば、今年ほど負けることはないはず。左腕では隅田知一郎、武内夏暉もおり、「左右4枚が揃っているのは心強い」（西武OB）と先発陣はリーグ屈指にもなり得る。野手も西川愛也、蛭間拓哉、山村崇嘉ら今季経験を積んだ若手も多く、さらなる成長が見込まれている。