祖父が亡くなり、3日の忌引休暇をもらいました。上司から「非常識」と叱責され減給をほのめかされているのですが、これってパワハラですよね?
身内で不幸があった際に、葬儀や通夜などに出席するために取得する忌引休暇は、多くの企業で設けられている制度です。しかし、当該休暇を正当に利用したのにもかかわらず、上司から理不尽な扱いを受けたら、パワーハラスメントに該当するか疑問に思う方も多いでしょう。 そこで本記事では、このような事案の扱いについてパワーハラスメントの定義をもとに解説します。
忌引休暇
「忌引休暇制度」とは、3親等までの血縁関係者である親族が亡くなったときに、会社を休むことができる制度です。労働基準法などの法律で定められている休暇制度ではありませんが、就業規則に必ず記載しなければならない項目として、労働基準法第89条に記載されています。 厚生労働省がまとめた「忌引き休暇について」によると、忌引休暇制度がある会社は96.1%でした。また忌引休暇制度では、「本人の祖父母」が亡くなった場合は95.1%が付与しているため、祖父母で忌引休暇を使うのは珍しいことではありません。 また忌引休暇で取得できる日数は、会社ごとに決められて運用されています。一般的には自身の祖父母は2~3日、配偶者の祖父母は1日が付与日数として記載されています。
パワーハラスメントとは
厚生労働省が定義するパワーハラスメントとは、職場で行われる「優越的な関係を背景とした言動」があり、「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」によって「労働者の就業環境が害されるもの」とされています。これら3つの要素を全て満たすものを「職場のパワーハラスメント」としています。 「優越的な関係を背景とした言動」とは、主に上司が当てはまります。 「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」とは、業務上必要性のない言動や不適切な言動、または社会通念に照らした時に許容される範囲を超える言動です。 「労働者の就業環境が害されるもの」とは、身体的または精神的に苦痛を与えられたことにより、職場環境が不快な場となってしまい、就業において支障が生じることを指します。 一方客観的に見て、業務指示や指導など適切な範囲で行われる行為はパワーハラスメントに該当しないとされています。