三宅裕司「70代のいまが、一番楽しい」と語る理由 舞台演出家としての新たな境地
自分の失敗も楽しめるようになる
――三宅さんは今年73歳になられましたが、ご自身の40~50代を振り返って、当時感じていたことを教えてください。 【三宅】僕が50代のときに歳下の人たちと飲んで言っていたのは、「次の40代をどう楽しく過ごせるかを考えながら、30代を過ごせば、時間を大切にするようになるよ」ということでした。 「何年までにこれができるようになりたい」と思って、それをクリアする。そして次の設計を考える。この繰り返し。まさに劇団の運営と同じ。 だからそんなふうにすれば、今が一番楽しいと思って生きていける。40~50代の人には、そう伝えたいです。僕は70代なんですけど、実は今が一番楽しいんですよ。 僕が感じる70代の楽しさは、今まで人に任せていたことが人任せにできなくなったことです。舞台演出って、小道具の瓶の色まで全部決めなくちゃいけないんですよ。それで本番を観ると、「あの色、違っていたな......」みたいな小さな失敗がたくさん出てきます。でも僕が決めたんだから仕方がない。それを繰り返していくと、間違いの数も減ってくる。自分の失敗も楽しめるようになるんですよ。 ――劇団は今年45周年。ズバリ、今後の目標は何でしょう? 【三宅】あと5年で50周年ですよね。さすがに50周年は何か新たな挑戦をしないと。創立メンバーが全員揃って、バク転でもしますか(笑)! 『ニッポン狂騒時代~令和JAPANはビックリギョーテン有頂天~』 東京公演: 2024年10月17日(木)~10月27日(日) サンシャイン劇場 神戸公演: 2024年11月8日(金)~11月10日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe 脚本:吉井三奈子 演出:三宅裕司 出演: 三宅裕司、小倉久寛、劇団スーパー・エキセントリック・シアター スペシャルゲスト(神戸公演のみ):浅野ゆう子 1960年代、東京。アメリカで誕生した20世紀最大の音楽革命であるロックンロールを日本語化し、「カバーポップス」として若者の間に大きなブームを起こした訳詞家・山南寛治。その熱狂ぶりを苦々しく見つめるのは、安保反対を掲げ日本人の誇りを守るべく闘う学生運動家・新城拓真。交わるはずのない両極端な2人。だが、純朴な少女・直美と出会い運命が動き出す。すべてが熱く激しかったあの時代、狂乱の果てに彼らが選んだ道とは......!? 【三宅裕司(みやけ・ゆうじ)】 1951年生まれ、東京都出身。1979年、ミュージカル・アクション・コメディーを旗印に劇団「スーパー・エキセントリック・シアター」を結成。タレントとしても、「三宅裕司のヤングパラダイス」「三宅裕司のいかすバンド天国」など、様々なヒット番組を世に送り出した。映画『サラリーマン専科』シリーズ、『釣りバカ日誌14』などに出演し、喜劇役者としても高い評価を得る。
三宅裕司(喜劇役者)