いきなり主食を大幅に減らすことには抵抗があるのなら、「糖類」制限から気軽に始めてみましょう(専門家が監修)
糖類を摂取カロリー5%未満に抑える
新型コロナで存在感を増したのが世界保健機関(WHO)。そのWHOが、新型コロナパンデミックに遡る2015年から、糖類の摂りすぎに警鐘を鳴らしていることをご存じだろうか? WHOが作ったガイドラインでは、遊離糖類”(ブドウ糖、果糖、ショ糖)の摂取量を、1日の総カロリー摂取量の10%未満に減らすように薦めている。それにより、肥満や虫歯が減らせる確実な証拠があるというのがその理由。 仮に1日に2000キロカロリー摂っていると、その10%は200キロカロリー。糖類は1g4キロカロリーだから、このケースでは50gが上限となる。糖類の代表選手である砂糖は大さじ1杯9g前後だから、依存症でなくても1日5杯半未満に抑えるべき。 さらにWHOのガイドラインでは、総カロリー摂取量の5%未満まで減らせたら、健康効果は一層アップすると指摘している。前述のケースなら1日25g=大さじ2・7杯未満という計算になる。 なおこのガイドラインでは、新鮮な(つまり未加工の)果物、野菜、牛乳に初めから含まれる糖類は、有害とする証拠が見当たらないことから、制限すべき糖類にカウントしなくてよいとしている。
その症状、砂糖依存症かも?
一休さんのトンチ話に、村人から水飴をもらった和尚の話がある。独り占めしようと「これは大人には薬だが、(一休のような)子供が食べると死んでしまう恐ろしい毒じゃ」と戒める。一休は和尚の企みを見破り、留守の間に水飴を全部食べ、和尚が大事にしていた茶碗をわざと割る。そして「お詫びに水飴をなめて死のうとしたのに、死にきれませんでした」とうそぶくという話だ。 毒というと言い過ぎだが、砂糖は大人にも子供にも要注意の糖類。依存性が高いからだ。 「砂糖はマイルドドラッグという異名を持ち、砂糖依存症という言葉もあるくらい依存性が高いのが特徴なのです」(管理栄養士の麻生れいみさん) 糖質は脳の大好物。なかでもすぐに吸収されやすい砂糖は大のお気に入りだ。だから、砂糖の甘味を感知すると、脳内ではドーパミンという快楽物質が放出される。その快楽が癖になると「またあの快楽が欲しい!」と砂糖を求めるようになる。反面、砂糖が満足に得られないと不安やイライラを感じてしまい、依存性が高まる。 砂糖依存症のチェックリストで思い当たるものが多いなら、砂糖断ちから糖類制限を始めよう。