いきなり主食を大幅に減らすことには抵抗があるのなら、「糖類」制限から気軽に始めてみましょう(専門家が監修)
とくに注意すべき糖類・果糖を控えよう
砂糖に続いて目を向けたい糖類が果糖。その名の通り、果物に多く含まれる。そう聞くと何となくヘルシーそうだが、果糖はまさに羊の皮を被ったオオカミ。その挙動は怪しすぎる。 果糖は血糖値を上げにくいが、それは摂った果糖の大半は肝臓で脂肪に変わるから。果糖を大量に摂ると脂肪肝になりやすい。そして果糖は体内でAGEという超悪玉に変わり、老化や生活習慣病を起こしやすい。 前述のWHOの指摘のように、新鮮な果物から、少量の果糖を摂る分には大騒ぎする必要はない。問題は、人工的に作られた甘味料にどっさり含まれる果糖だ。 それがトウモロコシなどから安価に合成される甘味料である異性化糖。ブドウ糖と果糖が結合せずに入り混じったものだ。果糖の含有量により、果糖ブドウ糖液糖(果糖含有率50%以上90%未満)、ブドウ糖果糖液糖(果糖含有率50%未満)などがある。 異性化糖は、清涼飲料水、お菓子、菓子パンといった加工食品に広く含まれる。栄養成分表示には果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖などと記されているから、表示をよくよく見て、なるべく異性化糖を含まないものを選ぼう。
人工甘味料は控えめな摂取に留める
人工甘味料は糖類ではない。 「しかし、人工甘味料に頼っているうちは、甘みへの誘惑が断ち切れていない証拠。それが糖類への渇望につながる恐れがあります」 人工甘味料には、合成甘味料と糖アルコールがある。 合成甘味料にはアセスルファムカリウム、アスパルテームなどがある。血糖値は上げないのに、インスリン分泌を促すものもある。 糖アルコールにはキシリトール、エリスリトールなどがあり、こちらは天然にも存在。なかでも血糖値の上昇もインスリン分泌も促さないのが、エリスリトール。 「糖類の代わりに料理に用いるならエリスリトールを使った自然派の甘味料がお薦め。ただし摂りすぎるとお腹が緩くなることもありますから控えめに使いましょう」 WHOも、砂糖を合成甘味料などの非糖質系甘味料(NSS)に置き換えても「長期的には体重減少効果はなく、むしろ病気のリスクを高める」とする。人工甘味料についてはいまだ賛否両論だから、糖アルコールを中心に最小限の摂取に留めるのが正解のよう。