自民・石破氏、総裁選出馬会見(全文1)納得と共感が得られる党でありたい
納得と共感がキーワード
そして国民政党です。わが党は国民のものであります。国会議員だけのものではありません。国民が、党員が、そうだね、そのとおりだね、そう言っていただける納得と共感、それが得られる自由民主党でありたい、そのように思っておるものであります。そういう自由民主党をつくっていくために野党時代の思いを決して忘れることなく、私は最大限の努力をいたしてまいります。 政策について申し上げます。これも納得と共感、これがキーワードでありますが、具体的に何をやるのかということであります。お手元に政策の紙をお配りさせていただきました。喫緊の課題はこのコロナ禍にどう対応するかであります。100年に一度といわれます。100年前のように戦争があったり大不況があったり、そしてコロナで今苦しんでいるわけですが、当時はスペイン風邪というものがはやりました。数え方にもよりますが、世界の1億人の人が死んだと、日本でも40万人以上の人が死んだといわれております。 今回のコロナを拡大してはなりません。戦争なぞがあってはなりません。大恐慌なぞというのがあってはなりません。100年前と同じことを繰り返してはならない。100年に一度という言葉を使うからには、常にそのことを意識していかねばならんのであります。いかにして感染を抑えるか。検査の拡大、PCR拡大、保健所の数が、20年、30年の間に半分になってしまいました。われわれ、反省していかねばならんところであります。保健所の機能をいかにして発揮させるかということは、OBの活用も含めて考えていかねばならないし、IT化、電子化も遅れております。やっていかなければなりません。そして民間の方々に検査をお願いする、その体制というものも拡大をしていかねばなりません。
特別措置法は本当にこれで十分か
人口当たりのPCRの数が少ない、厳然たる事実であります。そのことには理由があるはずです。できない理由をいくら言っても仕方がない。いかにして検査を徹底し、どこで何が起こっているかということが分からないと対策の打ちようがない。検査の拡大ということが第一であります。 そしてもう1つは、Go To トラベルキャンペーンとも関係することでありますが、感染拡大の防止は本当に大切なことであります。あらゆる努力をしていかなければなりません。しかし、この経済活動が制限を受ける中にあって、暮らしが苦しくなった、暮らしていけない、そういう方々が大勢いらっしゃいます。中には自ら人生に幕を閉じられる方々もあります。あるいは、朝、喫茶店にも行けない、昼、歌いにも行けない、うつ病になっている方も大勢いらっしゃいます。経済か感染拡大防止かという二者択一ではありません。両方やっていかねばならないことでありますが、いかにして交流機会を拡大するかということと、いかにして感染機会を減少するかということの両立を図っていかねばならないのであります。 マスク、うがい、手洗い、消毒の徹底もございますでしょう。ソーシャルディスタンスの確保もありますでしょう。日本はそういうものをさらに徹底していき、感染機会の拡大というものを減少させていかねばならない。それと交流機会の拡大、この両立を目指してまいります。 そして特別措置法は本当にこれで十分であったかということであります。そんなに言うほど簡単なことでないことはよく承知をしておりますが、感染が収束してから特措法を改正する、そういう考え方もあるでしょう。しかし私は感染を収束させるために、特措法で改めるべき点があれば改めるという考え方も当然あってしかるべきものだと考えております。 政治は行政府だけでやるものではありません。そのときに立法府の知恵を借りるということは行政府の在り方として当然あるべきことであります。司令塔機能というものをつくっていかなければなりません。そして経済的な支援と、経済的な活動の強制的な、言葉は選ばなければいけませんが、制限ということを併せて考えていかなければならないと思っております。それが感染の抑制に、縮小に寄与するということであることをきちんと確認した上で、経済的な支援、そしてまた、強制的な対応ということをやっていかねばならない。