自民・石破氏、総裁選出馬会見(全文1)納得と共感が得られる党でありたい
都道府県にもっと権限を委譲すべき
私は都道府県にもっと権限を委譲すべきだというふうに考えております。どこで何が起こっているかということは都道府県が一番よく知っている。あるいは市町村かもしれない。しかし、そこにおいて一律の対応が取られることが正しいと思っていない。いかにして都道府県の権能を強化していくかということも併せて特措法の在り方を見直すということ、必要であれば改正も行うべきものである、このように考えておるところであります。 このコロナ禍、日本が目指していかねばならない社会、しかしいろいろな障害があってそれが実現できなかったこと、それを実現する契機としていかねばならないものであります。地域分散型の内需主導の経済。これだけサプライチェーンが分断された中にあって、それを日本の中に戻していかねばならない。そのために政策を打っていく、必要なことであります。しばらくグローバル経済というものは停滞をせざるを得ないでしょう。21世紀というのは日本の人口が半分になる。世界の人口が倍になる。一言で言ってしまえばそういう時代なのであります。 アベノミクスには評価すべき点がたくさんあります。株は上がった、企業の業績も好調である。いいことです。しかし個人の所得が伸び悩んでいるということ、そのことも明らかな事実であります。生活保護の受給者の方々の数、昭和25年と同じ水準になっている。そのことも厳然たる事実であります。いかにして消費性向の高い、低所得の方々の可処分所得を上げていくか。GDPの大半を個人消費が占めるわが国経済において、いかにして消費性向の高い方々の所得を上げていくかということを考えていかなければなりません。
医療、年金、介護の在り方をどう見直すのか
消費税について申し上げれば、単にそれを下げればいいということを私は申し上げているのではありません。景気の変動に影響されにくい、安定財源として医療、介護、年金、子育て、そういうような社会保障に使われる消費税の必要性は、私は高く認めるものであります。 しかしながら、消費税が導入されたときに私は当選1回でした。竹下内閣でした。経済はまだ活況を呈していた。人口もこのように急減はするような状況ではなかった。日本の状況は違います。そこにおいて、消費税の果たすべき役割、それをもう一度検証する。低所得の方々に逆進性の影響が及ばないようなやり方はないものか、そして法人課税の在り方、これをどのように考えるのか。医療、年金、介護の在り方をどのように見直すのか。 そのときに必要になるのは、クオリティー・オブ・ライフ。1人1人の人生がいかにして実現されるかということであります。医療、どのように見直すか。国民皆保険制度は絶対に守っていかねばならないものであります。しかし導入されたときに、それは結核と労働災害、これが主な対象であった。今は、がんであり、成人病であり、認知症といわれる、そういう悲しい病気であります。対象とする疾病が変わってきた。それぞれにどう対応するかということも考えていかねばなりません。1人1人の幸せがどう実現されるかということ、そして、どの地域においても高度な医療が提供されるというのはどういうことなのか。そこにおいてAIをどう活用するべきなのか。どの地域においてもAIを使って高い医療が受けられる、そういうものを実現することも必要なことであります。 潜在力のある産業を伸ばしていかねばなりません。農林水産業であります。サービス業であります。女性のお持ちの能力を最大限に活用するということであります。中小企業の持っている力を最大限に活用するということであります。おかしなことではありませんか。交通ネットワークが発達をし、新幹線が走り、高速道路が張り巡らされ、航空路が充実をし、情報ネットワークが発達をする。すればするほど一極集中が進む。これはどういうことですか。国の在り方そのものを変えていかねばならない。