「助けの求め方が分からない」国内最大の少年院に密着 年々増加する「境界知能」の非行少年たち【報道特集】
少年院を出ても帰る場所がなかった少年を松本さんは家族ぐるみで支えている。 松本社長 「最近、よく家来るやん。嫌じゃない、別に?」 娘(12) 「うっとうしいときあるけど、話し相手としか思ってない」 その2週間後、少年が暮らす会社の寮を訪ねると… 松本社長 「昨日(仕事)来なくて、連絡つかなくて」 少年は前日から姿を消していた。部屋には脱ぎ散らかした服や、空のペットボトルが散乱していた。 松本社長 「初めてやったんか言うたら、もう数えきれんぐらい、やってて。友達と会ってワイワイしてて、『明日仕事ブチったろか』みたいな感覚やと思うんですよ」 度重なる無断欠勤に、一部の社員から「クビにした方がいい」という声も出始めている。それでも松本さんは、少年の更生支援を諦めきれない。 彼が少年院にいるとき、松本さんに送った手紙には… 少年が少年院在院中に送った手紙 「僕は社長にとても感謝してます。こんな僕を必要としてくれることにもすごく感謝してます。僕は不器用で迷惑かけてしまうことも、もしかしたらあるかもしれないですが一生懸命がんばっていきます」 松本社長 「これで僕が放っておいて、行くところなくなって半グレ戻って、お前これやれ、あれやれっていいように使われて、刑務所行ったって聞いたら僕多分泣きますよ。僕ものすごい責任感じるの分かってるんで、だから彼をほっとけないんですよ」 その日の夜遅く、少年が松本さんの家に現れた。 少年 「遊びに行く前はほんまに、仕事ブチるとかそんなこと考えてなかったし、何時に帰ろうかなぐらいの気持ちでおったんですけど」 松本社長 「お前のあかんところはな、別に遊びに行くなとか言わんけどな、お前コントロールできてないところと、お前一番あかんのが、謝罪できへんとこ、ちゃうか。お前はどうしたんや、おりたいんか?」 少年 「僕はおりたいから帰ってきたんですけど、ぶっちゃけ考えましたよ」 松本社長 「飛ぶか飛ばないか?」 少年 「絶対、帰っても怒られるし」