「助けの求め方が分からない」国内最大の少年院に密着 年々増加する「境界知能」の非行少年たち【報道特集】
収容されたころに書いた日記には少年院生活への不安が綴られていた。 少年が書いた日記 「前向きに生活をしていますがどうしたらいのか分かりません」 「助けのもとめ方が分からないです」 この日、少年の個別面接が行われた。 少年「たまに自分が分からなくなりますね。真面目にしたいのか、悪い道に進みたいのか。不安になってくるんですね、考えただけで」 教官「でも不安を感じるってめっちゃいいことだよね」 少年「そうなんですか?」 教官「ちゃんとやらなきゃいけないんだっていう気持ちがあるからでしょ。まだ自分を何とかしようという気持ちが心にあるから、だからいいんや、不安って」 塩尻智也 法務教官 「生い立ちのこと、今後自分がどういう風に生きて行きたいのか、ろくに考えずにここまで来ちゃってるので。ちょっとずつでもほぐしていかないと、彼らは自分自身になかなか向き合うことができない」 ■公文にドローン…様々なプログラムで「できる自信」を身につける そんな少年たちに向けて、2年前から導入しているプログラムがある。「公文」だ。 罪を犯した人たちの更生を支援する団体と連携して始まったこの取り組み。子どものころから、椅子にじっと座って、授業を受けることが苦手だった彼らは、ここで週に1回、1時間半、算数や国語を学び、できる自信を身につけていく。 この日は初回。1桁台の足し算から始めたが、途中で手が止まったり、間違えたりする姿が多くみられる。 それでも、講師の指導を受けながら自分のペースで進めていくと、半年後には分数の計算までは、できるようになるという。 公文を受けた少年たちに行ったアンケートによると、「勉強が得意になりたいか」という問いに対し、最初は強い気持ちはなかったが、受講後は、皆、勉強に対する苦手意識が減り、自信がついたことを実感している。 公文教育研究会 又吉智恵さん 「できたっていう経験があまりないんだなっていうところは関わっていて感じていて、100点を取れたら嬉しい、やればできるかもしれないという、できたという積み重ねをしているところが学習の気持ちを作る土台になっている」