高校1年の原英莉花の飛距離に仰天 ジャンボ尾崎「鍛えれば大物になる」という予感、アカデミー立ち上げのきっかけに
【ジャンボ尾崎 イン・ドリームランド】 2025年度米女子ゴルフツアー挑戦をかけてのQTで、原英莉花(25)は昨年に続き不合格となった。 【写真】移動中にフルーツを頬張る原英莉花 その原は「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」を主宰する尾崎将司の一番弟子である。原と尾崎の出会いは、彼女が湘南学院高校1年生時の2015年に遡る。まだ16歳だった原は、知人を介して、横浜市の自宅から千葉市花見川区にある憧れの尾崎の自宅(現在のアカデミーのある場所)を訪ねた。 この当時尾崎は女子のゴルフには全く関心がなかった。しかしわざわざ遠くから訪ねてきた少女の頼みをむげに断るわけにもいかない。そこで練習場に連れていって数発ボールを打たせて、尾崎の目の色が変わった。女子のジュニアとは思えないその飛距離と、ダイナミックなスイングに仰天したからだ。 尾崎は彼女にこう言った。「いつでもここに来て、好きなだけ練習していいよ」 将来性有望なその素質に「この子は、鍛えれば大物になる」という予感がしたのだろう。この出会いが、尾崎がアカデミーを立ち上げる大きなきっかけとなった。 そして3年後の2018年に「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」が正式にスタートした。 尾崎の見込んだ通り原は大器の片鱗を見せた。2018年、2度目のプロテストで合格。そして2年後の2020年にはツアー最高峰の「日本女子オープン」、さらに最終戦の「ツアー選手権リコー杯」と2つの国内メジャーに優勝。23年に再び「日本女子オープン」優勝を達成している。この偉業の裏には師匠尾崎による原への「ドローからパワーフェード」への徹底したスイング改造が功を奏している。 「初めに〝球筋〟ありき。スイングはそれを作るためにある」が尾崎の持論。またそれを作るため体幹と下半身強化の厳しいトレーニングを原に課した。「ゴルフは心技体ではなく、体技心だ。強い体が、技につながり、心の強さを生む」が尾崎の信念でもあったからだ。 ただ尾崎でもどうにもならないことがある。「あいつは日本女子オープンなど大きな試合に勝つ半面、スコア誤記(昨年のQTでスコア誤記で失格)をやらかしたり、ハチャメチャなところがある」と苦笑する。