2023年サッカー女子W杯日本招致断念の舞台裏
日本サッカー協会(JFA)は22日にウェブ会議形式で開催した臨時理事会で、開催国として立候補していた2023年のFIFA女子ワールドカップ招致活動から、撤退することを全会一致で承認した。 次回の女子ワールドカップ開催国は、今月25日に行われる国際サッカー連盟(FIFA)カウンシルの投票で決まる予定になっていた。臨時理事会終了後にオンライン会見を実施したJFAの田嶋幸三会長は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う東京五輪の1年延期決定が招致運動の潮目を大きく変え、開催国が決まる直前で立候補を取り下げる異例の決断に至ったと説明した。 「なぜこのタイミングでの撤退なのかと言えば、票読みなどを進めていく上で非常に厳しい状況になった、ということを鑑みたからです。2021年に東京五輪が延期されたことによって、短い期間に同じ規模の大会を続けて開催することが、残念ながらネガティブな方向へと向いてしまいました」 年齢制限が設けられている五輪の男子サッカーとは異なり、女子サッカーはフル代表が参戦する。2020年の東京五輪に続いての2023年の女子ワールドカップ開催に関しては、田嶋会長は「肌感覚では支持してくれる方がかなり多いという印象でした」と、これまでの招致活動を振り返る。 一転して東京五輪の1年延期が決まった3月24日を境に、女子サッカーの世界的な普及や発展という観点から、2年間で2度の世界大会開催に対して賛同が得られにくい状況に変わったという。 次回の女子ワールドカップには日本の他に、ブラジル、コロンビア、そしてオーストラリアとニュージーランドが共催の形で立候補していた。しかし、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を受けて、ブラジルが8日に辞退。日本も投票直前で撤退したことで、南半球、南米初となる女子ワールドカップ開催へ向けて、コロンビアとオーストラリアおよびニュージーランドとの一騎打ちとなった。 FIFAカウンシルはジャンニ・インファンティーノ会長以下の37人で構成されていて、アジアは田嶋会長を含めた7人が名前を連ねている。他の大陸ではヨーロッパが9人、アフリカが7人、北中米カリブ海と南米が5人ずつ、そしてオセアニアが3人という構成になっている。