2023年サッカー女子W杯日本招致断念の舞台裏
「今回の決断が女子サッカーの発展を妨げるとはまったく考えていませんし、必ず開催する来年の東京五輪でなでしこジャパンが活躍すること、WEリーグを成功させることを足し算にしていくことに集中できます。私自身がワールドカップ招致を強く推進してきた意味でも、本当に苦渋の決断だったと察していただければありがたいと思っています。ただ、すべてが無駄になるわけではなく、将来的に日本でワールドカップを開催する価値は絶対にあると、多くの方に理解していただいたと考えています」 一連の招致活動で得たノウハウを今後に生かせる、と田嶋会長は努めて前を向いた。招致に関わった政府やスタジアムが存在する自治体の関係者に謝意を表しながら、自国開催のワールドカップが幻と化しても高く「ジャンプ」できるように、来年に待つ「ホップ」の東京五輪、そして「ステップ」のWEリーグに女子選手たちが万全の状態で臨めるような環境整備に注力していく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)