伝説スノーボーダーやライバル国メディアが平野歩夢の2本目疑惑採点を痛烈批判「恥を知れ」「得点を盗んだ審判員を逮捕せよ!」
北京五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝が11日、雲頂スノーパーク H & S スタジアムで行われ、2大会連続で銀メダルを獲得していたエースの平野歩夢(23、TOKIOインカラミ)が3本目に96.0点をマークし逆転優勝、日本のスノーボード史上初の金メダルを獲得した。だが、大技「トリプルコーク1440」を決め、3本目と同じルーティンをノーミスで滑り切った2本目の得点が91.75と伸びず、この段階でトップにいたスコット・ジェームズ(27、豪州)を超えられなかったため、この2本目の疑惑の採点を巡って世界中から批判の声が殺到する異常事態となっている。
「完全な茶番だ」
平野の2本目のランも“金メダルの滑り”だった。 ファーストトリックで高さのある超大技「トリプルコーク1440」を決めると、「キャブのダブルコーク1440」、「フロントサイドダブルコーク1260」、「バックサイドダブルコーク1260」と難度の高いトリックを次々と成功させ、「フロントサイドダブルコーク1440」を綺麗に着地してまとめた。実況は「人類史上最高難度のルーティン」だと叫び、この時点で、トップにいた豪州のジェームズの92.50を超えるのは確実だと予想されたが、出た得点は「91.75」と伸びなかった。 憮然とした表情で、その場を去った平野は、「2本目の点数には納得いってなかったんですけど、そういう怒りが、自分の気持ちの中でうまく表現できた」と、試合後に語っている。 3本目に平野は、同じルーティンを再びノーミスで決め、今度は96.00の高得点が出て逆転の金メダル。だが、海外メディアからは、この2本目の疑惑の採点を巡って批判の声が殺到する異常事態となった。 五輪の放映権を持つNBCスポーツは「平野歩夢が論議を呼ぶ採点を乗り越えてハーフパイプで金メダルを勝ち取る」との見出しを取り、この採点を批判した。 記事は「平野がスノーボードハーフパイプで初の五輪金メダルを勝ち取った。そして彼はジャッジによる厳しい採点を乗り越える必要があった。この競技で過去に2度銀メダリストとなっている平野は、2度目のランで見事なトリプルコークを決めた。NBCでスノーボードの解説を務めるトッド・リチャーズ氏を含めた多くの人々が、『このランは平野をトップに立たせるだけの価値があった』と考えた。リチャーズ氏は、中継中に『ハーフパイプでこれまで達成された中で最高のラン』と呼んだ。だがジャッジは(そのリチャーズ氏の意見に)同意しなかった。平野に与えられた得点は91.75点だった」と2本目のランで疑惑の採点が生まれていたことを紹介した。 Xゲームズや世界選手権など数多くの大会で優勝し、1998年の長野五輪米国代表でもあった”伝説のスノーボーダー”のリチャーズ氏は、番組内で「私が懸念するのは、ジャッジは彼らの信頼性を打ち壊してしまったことだ。私は、この仕事を長い間やってきた。良いランがどのようなものか分かっている。勝つためのランの中身を理解している。ハーフパイプで最高のランが達成されたと分かっている。なぜ、この(平野の2本目の)ランを減点したのかの理由を私に伝えてほしい。こんなことが起こるなんて信じられない。正直に言って完全な茶番だ」と痛烈に批判した。