「そもそもロシア選手を出場禁止にしておけば問題はおきていない!」海外メディアはワリエワのドーピング違反で痛烈批判
ドーピングの国際検査機関(ITA)は11日、フィギュアスケート団体で女子シングルSP、FSに出場してロシアオリンピック委員会(ROC)の金メダル獲得に大きく貢献したカミラ・ワリエワ選手(15)が、昨年12月のロシア選手権出場時のドーピング検査で陽性反応を示したと発表した。検出された禁止薬物は「トリメタジジン」。日本では狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療に使われる物質でアスリートが使った場合には持久力アップなどに効果があるとされている。 ロシアのアンチ・ドーピング機構は、ワリエワを暫定的に資格停止処分としたが、ワリエワ側の異議申し立てを受け、9日に資格停止処分を解除。ITAは15日の女子シングルSPへの出場は継続できる方針を示したが、国際オリンピック委員会(IOC)と世界アンチドーピング機構(WADA)は、その処分解除を不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てた。 海外メディアは再びドーピング問題を繰り返したロシアだけでなく、IOCの対応などについての批判を展開した。 ワシントンポスト紙電子版は、「ロシアのドーピング問題がまた起こることは予想できただろうか。IOC以外の全員は(予想できた)。」と見出しをつけて、長きにわたるロシアのドーピング違反に対するIOCの対応を批判した。 ロシアは、2014年のソチ五輪で国家ぐるみでドーピング違反をしてきたことが明らかになっており、国としての五輪参加は禁じられている。しかし、ロシアオリンピック委員会(ROC)として出場を続けていることの不合理さを記事は指摘した。 「五輪でロシアのドーピングスキャンダルがまたしても起きた。なぜならロシアは罪に対して適切な罰を受けなかったからだ。ロシアは2014年のソチ五輪の成功を目指すあまり、国家主導のドーピングシステムを作っていた。この仕組みが暴露されて以降も、ロシア人選手は五輪への出場をひとつも逃していない」 記事は2016年のリオ五輪にさかのぼり、IOCの責任逃れの姿勢を批判した。 「ロシアがドーピングを隠蔽するために、尿のサンプルをすり替えていたことなどの証拠が明らかになっていた。しかし、IOCはロシア選手を五輪から追放せず、今回の事件と同じように、IOCは28の国際連盟に責任を押し付けただけだった」 IOCは、各国際競技団体にロシア選手の出場資格を確認するように求めてお茶を濁していた。