シャンパーニュ通が必ずハマるRMとは? 今飲むべきグロワー・シャンパーニュ5選
洗練度、華やかさ、安定感に秀でた大手メゾンのシャンパーニュ。しかし、時にはどぎついくらいの個性にどっぷりハマるのも一興。RM、もといグロワー・シャンパーニュの迷宮へようこそ。 【写真】今飲むべきグロワー・シャンパーニュ5選
RMを知らず、飲まずしてシャンパーニュを語るなかれ
モエ・エ・シャンドンやローラン・ペリエなど、ワインショップやデパートの店頭でよく見かける大手メゾンは、その業態上、ネゴシアン・マニピュラン=NMに分類される。自社畑のブドウだけでは間に合わず、栽培農家からもブドウを調達し、シャンパーニュを醸造する生産者だ。その一方、自社畑のブドウのみを用いて、シャンパーニュを醸造する栽培農家もいる。この業態がレコルタン・マニピュラン=RMである。 大手メゾンのアイテムを飲み尽くしたシャンパーニュ通が、決まって次にハマるのがRM。生産量は大手と比べて二桁、あるいは三桁も少ない。その希少性がマニア心をかき立てる。
RMと呼ばず、今はグロワー・シャンパーニュ
数多くのRMを取り扱うレストラン「オレキス」オーナーソムリエの春藤祐志氏は、「今、めちゃくちゃ面白い」と言う。 「ジャック・セロスやエグリ・ウーリエを第一世代とすると、ユリス・コランやシャルトーニュ・タイエが第二世代。今はそこから第三世代、第四世代に進化して、すごいことになっています」 もっとも春藤氏によれば「RM」という言葉自体がもはや時代遅れ。現在は「グロワー・シャンパーニュ」というのが正しいそうだ。というのも、さまざまな事情により外部からもブドウを手に入れ、面白いシャンパーニュをつくっている優れたつくり手が少なくない。とはいえ、彼らは醸造業者である前にブドウを育てる農家。だからグロワー(栽培農家)なのだ。 グロワーの面白さは「個性が際立っていること」と春藤氏。ブドウがオーガニックだったり、酸化防止剤の亜硫酸を使っていないなど、大手ではなかなか踏みこみづらい領域にも果敢に挑戦する自由がある。 それに加えてグロワー・シャンパーニュに共通するのは「ピュアさ」だ。テロワールを純粋な形で表現するため、単一のクリュを超え、さらに小さな単一区画にこだわったりもする。ワインがピュアだから、砂糖等でお化粧するのは言語道断。よって低ドザージュ(糖分添加)も共通した特徴だ。 以下は春藤氏が選んだ今飲むべきRM、もといグロワー・シャンパーニュ。ぜひとも一度はお試しを。