はやぶさ2の観測現状 JAXA会見(全文1)探査ロボは30日から分離運用へ
小型探査ロボットはホップしながら移動
吉光:はい、吉光です。それではMINERVA-II1のご報告をいたします。ご存じのとおり9月の21日の昼ぐらいに無事に小惑星の高度55メートルぐらいのところですかね。から分離して2台。Rover-1A、Rover-1Bと2つありますけど、小惑星の表面に着地しましたということです。その後の運用でホップしながら表面を移動、探査しているということも確認しております。その経緯というか状況をまずは簡単に説明します。 21日、その前からもう運用は始まっていまして、最終的にローバーのスイッチをオンにしたのが、分離の2時間ぐらい前の、日本時間だと11時ぐらいです。降下自体は1日ぐらい前からもう始まっていまして、その前の夜かな。19日の夜ぐらいに事前のローバーの最終チェックをしています。それから降下が始まって、降下の、分離の2時間前にローバーをオンにして放出したということです。 それでその日は小惑星、ご存じのように7.6時間ぐらいで自転していまして、正午ぐらいに放出していますので、夜まで2時間弱しかないと。放出してからすぐに電気が切れるというのは分かっていましたということなんですが、問題はその次の日がどうなるかということですね。で、一応ここでは1日、Solということで、【ソーラーデイ 00:05:00】ですね。小惑星表面での1日、2日、3日って、その単位で運用していまして、1Solは地球だと7.6時間ぐらいで1Solに該当しますということです。で、Sol.1ということが分離の日のことを指している。 で、Sol.2っていうのは分離自体は臼田の日本のアンテナを使ってやったんですが、24時間運用していまして、そのときは。そのあとヨーロッパのマドリッドのアンテナ、そのあとアメリカのゴールドストーンなんで、またそして次の日の日中にまた臼田のアンテナと、ずっと連続してトラッキングをしていまして、だいたいSolが1増えるごとにアンテナが変わるという感じで推移しています。それでSol.2、Sol.3はマドリッドとゴールドストーン、海外局を使って運用したんですけど、残念ながらテレメトリーデータは得られませんでしたが、電波は確認していました。どういうことかなということをその間にずっと考えていたんですが、推測したことはだいたい当たっていたんですけど、小惑星、ローパワーでローバーが電波を出していると。 で、ハイパワーに切り替えるような仕組みは入ってるんですけど、思ったよりも「はやぶさ2」本体の中継器からの届く電波が強くて、非常に近いところにいるとローバー自体が判断してて、ローパワーになっていました。そうじゃないかと思いまして、いろんなコマンドを送る工夫をしたところ、Sol.4ですね。次の臼田パス、臼田のところでようやくRover-1Aが自立モードで動作し、Rover-1Bも電波をちゃんと今度は出す、ハイパワーで出すモードになったんですけど、なぜかテレメトリーはちょっと取れませんでした。ただし表面にとどまっていて、テレメトリーは最初の1回だけ取れてたんですけど、そこには表面温度がいくらですとか、そういう情報は入っていました。 で、このことを持って、画像が随時送られて、これはそこのときに出た画像を見れば分かるんですけど、小惑星表面で移動していると、小惑星表面から取っているということが分かりました。 で、Sol.5とかSol.6も海外局で、Sol.6は運用かな、Sol.6まで運用があって、そのこのころになると、ほとんど運用担当者以外は誰もいなくなって、こちら、MINERVA側は1人でやっていたわけなんですが、Sol.5はちょっとデータが取れなかったんですが、Sol.6ではまたRover-1Aのデータが取れています。そこまでRover-1Bは残念ながらデータが取れなかったんですけど、ちょっともう一工夫することをしてSol.7、Sol.7は実は運用してませんで、どこの局でも運用してなかったんですけど、これは日曜日に入ったところで、運用のお休みに次の月曜日の、日中まで運用お休みのところ、7、8、9というのがそうなんですけど、お休みでして、そのときに月曜日に来て運用してみると7、8、9では両方とも動作してるというのを確認しました。で、Sol.10でも月曜日の【ニッチュウ 00:09:00】のパスですね、臼田のパス、臼田の運用のときにも動作してましたということです。