ヒスイの石仮面から黒こげの巻物の解読まで、思わずゾクゾクする考古学の驚きの発見7選2024
6. マヤ王の墓からヒスイの石仮面などを発見
グアテマラのチョチキタム遺跡にあるマヤ王の墓から、ヒスイをモザイク状に組み合わせ、目と歯に貝殻を使った装飾的な仮面が発見された。放射性炭素年代測定を行ったところ、西暦350年ごろにつくられたことがわかり、マヤの嵐の神をモチーフにしたものだと考えられている。 このような仮面はしばしば、マヤ王族の埋葬用につくられ、火山性の黒曜石のナイフやノミを使って刻まれた彫刻もこの王の墓に飾られていた。 マヤ文明に関してはほかにも、メキシコの古代都市チチェンイツァの近くで発見された生贄(いけにえ)の遺伝子解析や、グアテマラの別の遺跡で、政変を示唆する焼かれた人骨が発見されたことなどが発表されている。
7. ストーンヘンジの「祭壇石」の起源
英国イングランド南西部ソールズベリーにある新石器時代の遺跡ストーンヘンジは、中世に初めて広く知られることになったが、新しい手法によって、その建設に関する詳細が明らかになろうとしている。 8月、ストーンヘンジの中心付近にある祭壇石が、ソールズベリーから何百キロも離れたスコットランドの砂岩でできていることが判明した。この石が置かれたと考えられている約4600年前では、このような旅は大仕事だったはずだ。石の重量は6トン超で、おそらく運ぶのに車輪は使われれていない。 これまでの研究により、ストーンヘンジの円を構成する巨大な立石は地元の砂岩から切り出されたものだが、その内側にある小さなブルーストーンは160キロ以上離れたウェールズ南西部から運ばれてきたことがわかっている。 ストーンヘンジの最も古い部分の起源は約5000年前までさかのぼる。この場所はもともと埋葬地だったが、数千年にわたって拡張され、新石器時代の宗教的な構造物になったと考えられている。
文=Tom Metcalfe/訳=米井香織