ヒスイの石仮面から黒こげの巻物の解読まで、思わずゾクゾクする考古学の驚きの発見7選2024
3. ペトラ遺跡で砂漠の墓を発見
ヨルダンにある、赤い砂岩の崖に刻まれたペトラ遺跡の宝物殿。2024年の最も注目すべき発見の一つが、その地下で発見された12体の遺骨だ。 考古学者たちは、アラブ人の一派で遊牧民だったナバテア人が、紀元前4世紀に死者を埋葬し始めたと考えている。そして、紀元前2世紀、ペトラの街はナバテア人の首都となり、水を供給するための複雑な貯水システムが整備された。 アラビア語で「エル・カズネ」と呼ばれる宝物殿の柱は、ペトラで最も象徴的な構造物だ。宝物殿という呼び名は、正面上部の大きなつぼに財宝が隠されているという伝説に由来するが、実際には、つぼは砂岩でできた塊で、中は空洞ではない。 伝説は誤りだとしても、エル・カズネの地下にある墓は、消滅したナバテア人をより深く知る手掛かりとなる、かけがえのない発見だと考古学者たちは考えている。
4. ベスビオ火山の噴火で焼けた巻物をAIで解読
西暦79年、古代ローマの都市ポンペイをベスビオ火山の噴火が壊滅させた。2024年2月、その噴火で焼けた巻物の一部を人工知能(AI)システムで解読したと発表された。 この巻物は、ポンペイから約16キロ離れた町ヘルクラネウムの遺跡で18世紀に発見された約1800のパピルスの巻物の一つで、ベスビオ火山から噴出した高温の灰、岩石、ガスによって焼かれたと考古学者は考えている。 噴火により、巻物は炭化して解読不能になったと考えられていた。しかし、科学者チームがその一つをX線でスキャンし、AIで内容を解読した。最初に解読した部分は、人生の楽しみ方について書かれた15段で、2000以上の文字で構成されている。古代ギリシャの哲学者エピクロスの信奉者が書いたものと思われる。
5. 世界最古の鞍(くら)を発見
中国北西部タクラマカン砂漠の端にある「洋海(ヤンハイ)墓地」の女性の墓で、2700年前の鞍が発見された。 人がウマを家畜化したのはその数千年前だが、古代の彫刻を見ると、通常は鞍のない状態か、マットや毛布を敷いただけの状態でウマに乗っていたことがわかる。鞍は後の時代の技術的進歩で、自分自身とウマを傷つけることなく、より長い距離を移動できるようになった。 乗馬は中央アジア北部から中国に伝わったと考えられているが、考古学的な記録の中では、洋海墓地で発見された鞍が最も古い。これは革を縫い合わせ、わらや動物の毛を詰めてつくられたもので、通常、このような有機物はすぐに朽ち果ててしまうが、乾燥した砂漠の環境によって保存されていたようだ。