オミクロン株が市中感染 年末年始に気をつけるべきことは? 尾身会長が会見
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は23日の記者会見で、オミクロン株の市中感染が国内でも報告される中、「年末年始は一年でもっとも感染が拡大しやすい時期」だと訴え、帰省や旅行は慎重に検討することや、忘年会や新年会も店選びや少人数での実施など慎重に行うことを呼びかけた。体調が少しでも悪い場合は、外出を控え検査を受ける重要性も強調した。 【動画】尾身会長が会見 オミクロン株「拡大懸念」で感染対策呼びかけ
市中感染が始まると「急速に感染拡大する恐れ」
現在世界中で流行するオミクロン株は、感染者数が倍増する倍加時間が2、3日と「極めて短い」との報告があり、「市中感染が始まると急速に感染拡大する恐れがある」(尾身会長)。 年末年始に向けては「スポットの感染がさらなる感染につながると、短期間で多数の患者発生が予想され、一定程度の重症者も生じることから、強化されてきた医療体制すらひっ迫する可能性がある」と警鐘を鳴らし、国民に対してマスク着用などの基本的な感染防止対策に加えて「以下の3つのことをお願いしたい」と協力を呼びかけた。
(1)早期の検査
尾身会長は「高熱がなくても、少しでも具合が悪いときには外出を控え、医療機関で受診・検査をなるべく早くやっていただきたい」とした。早期の検査は、オミクロン株の検知という観点からも「非常に重要」だと述べた。
(2)年末年始の旅行や飲み会
年末年始の帰省や旅行は、オミクロン株の動向も見据えながら「慎重に検討していただければ」と訴えた。その上で、帰省や旅行を行う場合の注意点として、旅行前に感染しないよう生活に気をつけることと、「三密」回避など基本的感染防止対策を徹底することなどを挙げた。海外への不要不急の渡航も控えるように求めた。 忘年会や新年会については、これまでも「年末年始の飲み会などで感染が拡大してきた」という経験を踏まえ、「慎重に行っていただければ」と呼びかけた。飲み会を実施する場合は、▽換気がしっかりしている認証店を選ぶ、▽できるだけ少人数で行う、▽大声・長時間は避ける――ことなどに注意し、食事中に会話をする場合は「今まで通りマスクを着用していただきたい」とした。 初詣や成人式、カウントダウンなどの年末年始関連のイベントは、混雑する場所、時間を可能な限り避けることを求めた。 ワクチンをめぐっては、未接種者に対しては、体質的にワクチンを受けられない人を対象に無料検査の仕組みができたことを紹介し、帰省や旅行前に検査を受けることを勧めた。接種済みの人に対しては、「他人に感染させることがある」(尾身会長)ため、帰省先などで会う人が未接種者や重症化リスクの高い高齢者らの場合は、事前に検査を受けてほしいとした。
(3)早期のワクチン追加接種
ワクチンの追加接種に関しては、高齢者ら接種の早かった人たちは「ワクチン効果が減衰している」として、自身の順番が来たらファイザー製、モデルナ製に関わらず「なるべく早い時期に追加接種を受けることをお勧めする」と述べた。 まだ接種していない人に対しては、オミクロン株の登場を理由に接種を「強くお勧めする」とした。