現代民主主義社会おける王室の意味とは? エリザベス女王の死に考える
皇室のこれから
帝国の象徴としての皇室が、太平洋戦争にまでつながる日本近代の思想的特質であり、それは日本史の中でも特異な思想であり、また当時の列強の中でも特異な思想であった。戦後日本はその反省から出発し、皇室は再び文化的象徴に戻ったのである。 イギリスにはイギリス王室の特殊性があり、日本には日本皇室の特殊性がある。今の日本は、戦後アメリカによって決められた政治体制をなし崩し的に受け入れているのだが、そろそろこの社会の思想的文化的本質を、主権をもつ国民として噛み締める必要が出てきたように思われる。 少なくとも自由、人権、民主主義を標榜して西側の一員として振る舞おうとするなら、そういった進歩的とされる政治制度と、伝統に基づく文化を、国際社会で理解されうるかたちで整合させていく努力が必要だ。 他国にはない独自の文化を維持するためには、他国にはない努力が必要だ。