チャン・グンソクさんはがん診断から7カ月後に手術…韓国で“医療崩壊”危機「研修医100人が3人に」医師“国外脱出”の動きも
医療先進国とされる韓国でいま、医療現場が崩壊の危機に直面している。救急医療の最前線、命を救う現場は悲鳴を上げていた。 【画像】ネットの掲示板では、日本の病院による採用説明会の情報などが紹介されていた
医療改革への抗議で研修医ら一斉辞職
医療先進国の一つ韓国。しかし市民からは今、医療への不安の声が次々に上がっている。 男性: 急に大ケガをした時に、救急室に行っても治療を受けられないとなると、とても困る。 女性: 親戚の中に看護師をやっている子がいますが、「絶対に病気になるな」って。 FNNが向かったのは、ソウル郊外のウィジョンブ市にあるカトリック大学議政府聖母病院の救急外来。この病院が受け入れる患者の数は、韓国内でもトップクラスだ。 続々と救急車がやってくるが、重傷患者の対応にあたる外傷センターには医師が1人しかいない。 医師: 救急体制は崩壊しました。うちの病院では100人いた研修医が3人になりました。 理由は、若手研修医の集団辞職。 韓国では2024年2月以降、1万人近くの医師が一斉に辞職し、職場に戻ってきていない。職場を去った理由は、韓国政府が打ち出した医療改革への抗議。医学部の定員を2千人増やすという政府の方針に反発し、研修医達が集団辞職した。
チャン・グンソクさんはがん診断から7カ月後に手術
混乱はあらゆる医療現場に広がっている。 日本でも人気の俳優、チャン・グンソクさんは2023年10月に甲状腺がんの診断を受けたが、医師不足の影響により、がんの手術を受けられたのは診断から7カ月後だったと明かした。 最も深刻な影響を受けているのが救急医療だ。 この日、病院に搬送されてきたのは中年の男性。バイクで単独事故を起こしたという男性は、頭を強く打つなどして意識不明の重体だったが、近くの病院から受け入れを断られ、30分以上かけてこの病院に搬送されてきた。 韓国では、救急搬送先の病院が見つからず、患者がたらい回しにされるケースが相次ぎ、なかには死に至ったケースもある。こうした報道が相次ぎ、市民の間で不安が高まっている。 医師: 近いところがダメだから、遠くに搬送される。こういう場合が多くなりました。