給食も原因?小2の夏から息子が不登校。学校に「すみません」と言ってしまう理由
「なに甘えたこと言ってんの」教師の対応
サクラさんにとって、不登校は青天の霹靂だった。ひとり息子ジュンヤくんの小学校生活は順風満帆に見えた。 「毎日張り切って学校に通っていました。宿題も全部やるし、学童も楽しんで、友達もいっぱいいました。行事は全て参加して、すごく楽しそうだったのに……」とサクラさん。小学校2年生の夏休み明け。朝起こしに行ったら「学校行きたくない」と言って布団を頭からかぶった。当時は子どもの自死が最も多い夏休み明けを示す「9・1問題」がまだ注目されていなかったころだ。 サクラさんは児童福祉関連の仕事に従事していたため、行き渋る子どもを無理やり登校させてはいけないことは勤務先でも聞かされていた。ほかにも「小学校は子どもにとってはしんどいところもある」とか「小学校に入ったら子どもはめいっぱい頑張ってるから、休みたいって言ったら休ませてあげたらいいよ」など、子育て経験のある同僚からも聞いていた。しかし100%腹落ちしていたわけではなかった。 なんとかなだめすかして学校に連れて行ったものの、息子は下駄箱の前でぐずった。それを見た担任は「なに甘えたこと言ってんのみたいな感じで……」(サクラさん) 担任は「ほら、行くよ!」と、ジュンヤくんの小さな手を引っ張って教室に連れて行った。そのことを同僚に話すと「その対応はひどいよ」と眉をひそめた。 すぐに以前から知っていた池添さんに相談すると「休ませてあげたらいいよ」と言われた。翌日も「行きたくない」と言うので、休ませますと伝えた。電話に出た担任は「最初はぐずってたけど、その後はお友達と楽しく過ごしてましたよ。何とか連れて来れませんか?」と言う。しかし、サクラさんは「とりあえず1週間は休ませます」と告げ電話を切った。 最初に1週間休んだ後も、ジュンヤくんは週に2日しか学校に行けなかった。年間30日以上休むと「不登校児児童」にカウントされる。そのことを担任は恐れていたのだろうか。サクラさんが「今日は休みます」と電話するたびに「私が迎えに行きます。何時に家を出ますか?」と詰め寄ってきた。 「このままお休みが続いたら、もう本当に不登校になるんじゃないかと心配しています」 そう言われたサクラさんは「自分が責められてるような気持ちになった。つらかった」と当時の心境を明かす。一方で、通級※の担当教員が理解を示してくれた。学校との面談でサクラさんが「教室ではなく、保健室に登校させてほしい」と頼んだら、快く認めてくれた。子どもの気持ちに寄り添ってくれた。 ※「通級」とは、大部分の授業を小・中・高等学校の通常の学級で受けながら、一部、障害に応じた特別の指導を特別な場(通級指導教室)で受ける指導形態で、障害による学習上又は生活上の困難を改善し、又は克服するため、特別支援学校学習指導要領の「自立活動」に相当する指導のこと。(「障害に応じた通級による指導の手引 解説とQ&A(改訂第3版)」(文部科学省 編著)より)