なぜプロ野球選手の不倫問題は大事にならず東京五輪代表内定の瀬戸大也の”それ”は競技生活の危機になるほど炎上したのか?
里崎氏の指摘のように、そもそも人々が抱いているプロ野球選手と五輪代表選手へのイメージ、先入観の違いというものがあるのかもしれない。 プロ野球にも“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹のようなクリーンイメージの選手が、時折、出現するが、どちらかというとレアなケースだ。 一方、東京五輪の金メダル候補である瀬戸は、そのルックス、鍛えあげられた肉体も含めて、爽やかなイメージがあり、飛び込みの元日本代表の奥さんとの結婚で、アスリート夫婦として、さらにイメージアップ。そのオシドリぶりと、子育てにも協力するイクメンの姿勢などの好感度によりスポンサー企業からの支援を取り付けた。 東京五輪でメダルを獲得すれば、所属先もクローズアップされ、企業のブランディング戦略にプラスとなる。だが、今回のような不倫スキャンダルが起きると、人々は、そのイメージギャップに失望を抱き、その反動から、オリンピアンに、これまでの応援を裏切られたような感情を抱き、大バッシングに発展したのだ。もっと言えば、内実は、プロ化しているとはいえ、「参加することに意義がある」五輪というものへの幻想が根強くあって、それを汚すようなモラル違反を許せないのかもしれない。 さらにマネジメント会社は、直筆の謝罪文を夫婦の連名でホームページに掲載したが、一番の被害者である奥さんまでも引っ張り出してきたことが“逆風”になった。 また瀬戸はJOCからも強化選手として強化費という名の助成金をもらっているが、これは、公的なお金で税金。お金に、どこからもらったかの名前は書いていないが、「私たちの血税で遊んでいるとは何ごとぞ」という怒りを買った。 もう「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の世界である。プロ野球選手の年俸も、ファンが支払ったチケット 代が原資だが、ファンにある程度の“抗体”ができているのか、「私たちのチケット代を何に使ってくれているのか?」との声は大きくならない。