海外メディアは東京五輪の日程発表を評価…「複数シナリオ発言のバッハ会長は開催を楽観視」との見解も
東京五輪・パラリンピック組織委員会は17日、1年延期となった東京五輪の競技日程を発表した。同日、オンライン形式で開催されたIOC(国際オリンピック委員会)総会で森喜朗会長が報告、承認されたもの。不安視されていた競技会場、選手村、メディアセンターとなるビッグサイトなどが確保され、当初の予定とほぼ同じスケジュールで、史上最多33競技339種目が実施されることになった。 海外メディアも東京五輪の日程発表を評価するものがほとんどで、USAトゥデイ紙は「IOCのトーマス・バッハ会長、主催者が施設を確保して日程を最終決定する中、東京五輪について楽観的な見通し」との見出しを取り「大会の延期に関連して重要だった運営面でのハードルを乗り越えた」と報じた。 世界的な規模での新型コロナウイルスの感染拡大に収束のメドは立っておらず、東京五輪中止説は根強く残っているが、記事は「IOCのバッハ会長は、新型コロナウイルスのパンデミックが勢いを増す中で、も東京五輪が来年夏に開催されることに楽観的な姿勢を続けている」と伝え、バッハ会長に中止の考えがないことを示唆した。 その上で「バッハ会長は、IOCと東京の主催者が、来夏の大会を簡素化するためのステップを踏んでいると語った一方で、詳細には触れなかった。また彼は金曜日に主催者が来夏のパンデミックの状況に合わせて複数のシナリオを用意していると繰り返し発言した。シナリオの1つは『我々が望まないこと』とした上で無観客での五輪開催が含まれることになるだろうと認めた」と伝えた。 バッハ会長は、15日の理事会後の会見では、用意している「複数のシナリオ」に無観客開催が含まれるか?との質問を受けて「無観客での開催は明らかに我々が望んでいるものではない」と明言していたが、「複数のシナリオ」の一つには、やはり無観客開催案も含まれているようだ。 また記事は、バッハ会長は、その他の考えられる新型コロナウイルス対策の詳細について質問されると難色を示し、以下のようにコメントしたことを伝えた。 「多くの国で、明日、自宅を出ようとするときに、どのようなことが必要になるのか、もしくは自宅を出ることができるのかさえも分からない。世界で最も複雑で込み入った行事(東京五輪)について、いかにして詳細に知ることができるのだろうか。今日の時点で解決策はない。残念だから期待しすぎなのだろう」 この発言は、大会に向けてまだクリアしなければならない課題が数多く残っていることを示している。大会は、7月23日に開幕し、8月8日に閉幕する日程だが、開幕2日前の21日に女子ソフトボールの日本対オーストラリア戦が行われ、女子サッカーも同日に競技が前倒しでスタートする。