W杯予選延期が森保Jに与える影響は?
栃木県を対象とした緊急事態宣言は今月7日に解除されたが、残る10都府県では来月7日に延長されている。しかし、たとえ緊急事態宣言が解除され、外国人の新規入国も可能になったとしても、今度はアスリートトラックの運用が再開されるかどうか、という問題が浮上してくる。 東京五輪・パラリンピックへ向けて設けられたアスリートトラックは、海外からの入国後に課される14日間の自主隔離期間中でも、条件つきで競技活動が認められる特例措置を指す。日本オリンピック委員会の強化指定選手や関係者に限られていた対象が、サッカーでは日本代表関係やACL出場チームにまで拡大された矢先に、緊急事態宣言の再発出とともに一時的に停止されている。 そして、新型コロナウイルス禍のもとで、外国人の新規入国とアスリートトラックの運用がともに停止されている状況は、来月30日にフクダ電子アリーナでの開催が決まっている、モンゴル代表とのカタールワールドカップ・アジア2次予選第6戦にも大きく影響してくる。 もともとは敵地ウランバートルで行われる予定だったが、モンゴル国内で6月末まで大規模な国際競技大会の開催が禁止されている状況を受けて、モンゴルサッカー連盟が第三国での開催を模索。さまざまな交渉を重ねた末に、日本で主催試合を開催する異例の形がFIFAとAFCから承認された。 しかし、新規入国停止が解除されなければ、モンゴル代表チームは来日できない。たとえ状況が変わって入国できたとしてもモンゴルは3月25日に敵地でタジキスタン代表とのワールドカップ予選を戦うため、早期の来日はできずアスリートトラックの運用が再開されなければ自主隔離期間中でピッチに立てない。 新型コロナウイルス禍においてサッカーを含めたスポーツ界だけを特例とできない事情は、JFAの反町康治技術委員長も理解している。だからといって、緊急事態宣言をめぐる状況が一変したときに、急なので間に合わないとも言えない。ミャンマー戦の延期が決まったなかで、反町委員長が繰り返してきた「粛々と準備していく」という方針はこれからも変わりない。