J1移籍マーケットの勝者はどこ?
2021シーズンのJ1リーグが開幕する今月26日まで、早くも1ヵ月を切った。J1勢では3日から全体練習をスタートさせる柏レイソルを除いた、19のクラブがすでに新体制を始動させていて、オフの間に新天地を求めた選手たちもそれぞれのキャンプ地で躍動している。 昨シーズンを上回る結果を手にするために、各クラブがさまざまな構想を練りながら補強に走ったこのオフの勝者はどこになるのか。現時点では3つのクラブの名前が真っ先に浮かび上がってくる。 ワールドカップ代表経験者を中心に積極的な補強に成功したのが最終的に昨シーズン3位に食い込み、9シーズンぶりにAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得した名古屋グランパスとなる。 ともに2014年のブラジル大会代表だった、柿谷曜一朗(セレッソ大阪)と齋藤学(川崎フロンターレ)の両FWを獲得。さらに元日本代表のMF長澤和輝(浦和レッズ)、守備のオールラウンダー木本恭生(セレッソ)、東京五輪世代のDF森下龍矢(サガン鳥栖)も加わった。 リーグ最少の総失点「28」と堅守を武器にした昨シーズンは、新型コロナウイルス禍による長期中断後に組まれた過密日程下で、絶対的な守護神のランゲラック、丸山祐市と中谷進之介の両センターバック、そしてボランチの稲垣祥が全34試合に先発。ランゲラック、丸山、中谷は計3060分にフルタイム出場し、群を抜く運動量を誇る稲垣も後半途中で交代した1試合を除いてフル稼働した。 対照的に総得点「45」は12位で下から数えた方が早かった。柿谷と齋藤には攻撃力のアップが託され、センターバックとボランチの両方でプレーできる木本、ボランチの長澤、そして右サイドバックの森下はACLも加わる戦いへ向けて、手薄なポジションを補って余りある活躍が求められる。 もっとも、2019年9月から指揮を執る、イタリア出身のマッシモ・フィッカデンティ監督はさらなる補強をフロントに要請している。攻撃陣の中心を担った元日本代表のFW金崎夢生が、昨年11月に右ひざの前十字じん帯と外側半月板を損傷。最長で全治約8ヵ月と長期離脱を余儀なくされたなかで前線と、米本拓司に故障が多い状況を考えればボランチにももう一人が必要となる。