なぜ退団、移籍が決定した浦和レッズMF柏木陽介の規律違反は内部告発によって判明したのか
新型コロナウイルス禍で設けられたクラブ内の規律を繰り返し破ったとして、所属する浦和レッズから厳重注意と罰金処分を科され、今月下旬に迫るJ1リーグ開幕へ向けた練習への参加も禁じられている、元日本代表MF柏木陽介(33)が移籍先を探した上で退団することが決まった。 浦和の戸苅淳フットボール本部長が、16日夜に緊急のオンライン会見を実施。サンフレッチェ広島から加入して今シーズンで12年目を迎え、2016シーズンから「10番」を背負い、2018シーズンからはキャプテンを2年間務めた柏木を移籍させるに至った理由を説明した。 「柏木選手に関しては浦和レッズの経験豊富な選手でもあり、チームをリードしていくべき存在として期待しておりました。浦和のACL優勝など、数々のタイトルをもたらしてくれた選手でもあり、また被災地支援など多くの社会貢献活動を積極的に行うなど長所もたくさんある選手です。多くの感謝はあるものの、チーム内における影響や規律を継続的に保つことは最優先事項であり、双方の話し合いにより移籍する方針で調整していくことといたします」 柏木は沖縄・金武町でトレーニングキャンプが行われていた今月4日の午後4時から6時ごろまで、元日本代表FW杉本健勇(28)とともに飲食店を借り切って外食していたことが発覚。新型コロナウイルス感染防止策として、近隣のコンビニエンスストア以外への外出および外食を禁止した浦和の規律に違反したとして、2人には6日からの練習離脱と厳重注意および罰金処分が科された。 開幕へ向けたキャンプ開催を受け入れてくれた沖縄県では、独自の緊急事態宣言を発令して不要不急の外出自粛を要請していた。加えてJリーグからもキャンプ先での外食を控えるよう通達が出されていたなかで、若干ながら飲酒もしていたという外食先で万が一、柏木と杉本が新型コロナウイルスに感染すれば、沖縄での滞在先やクラブ内、帰京後の地元に感染拡大を引き起こしかねない。 急きょ実施されたPCR検査で、2人はともに陰性判定が出ている。そのなかで杉本は10日からさいたま市内で再開された練習でチームへ復帰。13日にさいたまスタジアムで行われたJ2のSC相模原とのトレーニングマッチにも出場して、PKによるゴールも決めている。