岸田首相が会見 「まん延防止」17道府県で延長へ(全文1)山形・島根・山口・大分・沖縄の5県は解除へ
第6波の出口に向かって歩みを開始するために
第3の経済社会活動をできる限り止めないという観点からは、専門家の科学的な知見を踏まえながら、濃厚接触者の待機期間の短縮、入退院基準の見直し、めりはりの利いた行動制限などに取り組んできました。 こうした基本的な方向性は今後の対応においても極めて重要な視点であり、このまま順調に新規感染者数が減少していったとしても、遅れて重症者数が増えるリスクがあることも考え、今後も堅持していきます。また、感染状況や病床使用率がいまだ明確な減少傾向にない地域については、引き続きまん延防止等重点措置を継続し、気を緩めず感染拡大の抑制に取り組みます。 そのため、あす、専門家に諮問をし、国会報告の上、正式に決定いたしますが、20日に期限を迎える21道府県のうち16道府県および27日に期限を迎える和歌山県について、まん延防止等重点措置を3月6日まで延長をいたします。このように、慎重になるべきところでは引き続き慎重さを堅持していきますが、同時に第6波の出口に向かって歩みを開始するため、次の3点について取り組んでまいります。 第1に、病床使用率などを総合的に勘案し、感染状況が落ち着いてきた地域については、まん延防止等重点措置を解除していきます。まずは20日を期限とする21道府県のうち山形県、島根県、山口県、大分県、沖縄県の措置を同日で解除をします。
水際対策の骨格を段階的に緩和
第2に、ワクチンの3回目の接種です。関係者のご尽力により15日以降、VRS、ワクチン接種記録システムの入力ベースで1日100万回程度までペースが上がってきました。手綱を緩めることなく安定的に100万回以上が達成されるよう、引き続き全力を尽くしてまいります。全国の都道府県、市町村で3回目の接種が進み、今週から前倒しで職域接種も始まりました。ご自身やご家族を守るため、そして、社会全体として感染対策を進めていくため、できるだけ多くの方に接種していただきたいと思っています。 そして第3に、水際対策の見直しです。これまで厳しい水際対策を講じて稼いだ時間を活用し、病床確保やワクチン接種の推進など、国内の対応体制を整備することができました。3月1日からは検査、行動把握、そして感染拡大リスクの高い場合の待機期間の設定といった基本的な条件を守ることにより、引き続きG7で最も厳しい水準は維持しつつ、水際対策の骨格を段階的に緩和していきます。 具体的には、入国者の待機期間についてはこれまでのオミクロン株との戦いの中で蓄積された知見に基づき、入国前検査と入国時検査に加え、さらに3日目検査の陰性を条件に原則7日間の待機期間を3日にいたします。なお、この際、リスクの高い方々は引き続き施設待機とさせていただきます。また、ワクチンの3回目追加接種者で感染が落ち着いている非指定国からの入国者は待機期間をゼロといたします。これらにより、主要先進国並みの待機措置としていきます。 外国人の新規入国については、受け入れ責任者の管理の下、観光目的以外の新規入国者に限って認めることといたします。受け入れ企業、団体の申請手続きは一元的にオンラインで完結するように簡素化してまいります。1日当たりの入国人数については3500人から5000人へと戻し、今後日本人の帰国需要を踏まえながら段階的に国際的な人の往来を増やしていきます。 以上、第6波の出口を見据えて準備を進めていく観点から3点申し上げました。繰り返しになりますが、第6波の出口を見据えた準備の大前提は感染状況を落ち着かせていくことであり、政府として病床や経口薬の確保などを徹底するとともに、皆さまには引き続きマスク着用、手洗い、消毒、換気など、基本的感染対策へのご協力をお願いいたします。 また、今後、既存のオミクロン株が亜種であるBA.2に置き換わることなどにより、再度感染状況が悪化する可能性には十分に注意しなければなりません。感染状況に悪化の兆しがあった場合には即座に対応を見直していきます。他方、第6波の出口がよりはっきり見えてくれば、経済社会活動の回復に向けてさらなる取り組みを進めてまいります。