コロナ感染拡大でも「首相会見が1か月以上ない」山際担当相に野党議員が注文
「総理による記者会見が1か月以上開かれていない。正式な記者会見を開いて国民へのメッセージを促すように働きかけてくれないか」。政府が東京など13都県への「まん延防止等重点措置」延長を決めた10日、政府方針の事前報告が行われた衆院議院運営委員会で、野党議員が山際大志郎・経済再生担当相に注文をつける場面があった。 【国会中継】13都県の「まん延防止」3週間延長方針 衆院で事前報告
「総理から直接訴えるのは聞く耳持ってもらえる」
立憲民主党の中谷一馬氏は、新規感染者数が高止まりし、1週間の死亡者数も過去最高水準にある中で、議院運営委員会での質疑に政府のコロナ対策本部長である岸田文雄首相が出席していないと指摘し、「リーダーシップが明らかに欠如していないか」とただした。 それに対し山際氏は、首相官邸でのぶら下がり取材を念頭に「昨日(9日)も総理からは記者会見をしていただいて、今どういう状況になっているか、国民全体で何をなすべきか、カメラの前でお話いただいたものだと思っている」と説明し、「実務に関しては、私が中心になってやらしていただいている。総理のリーダーシップの下に、我々全体として機能するように努力している」と強調した。 ただ官邸の記者会見場で開かれる正式な記者会見は、オミクロン株による感染が急激に広がる中でも1か月以上開かれていない。中谷氏はそれを問題視し、山際氏から岸田首相に会見を開くよう促すよう求めた。山際氏は「やはり総理から直接訴えかけていただくというのは、何より国民の皆さま方、聞く耳を持っていただけるのは事実だと思う」と問題意識は共有しているとしたものの、「そのようなタイミングを外さないように、総理から直接お話しいただけるような機会が来るものと思うし、私からも促したい」と述べるにとどめた。
緊急事態宣言は「検討しなくてはいけない状況にない」
緊急事態宣言の発出については、「医療の提供体制がどれくらいひっ迫するかということを見ながら、まん延防止等重点措置でいま対処している。医療提供体制のひっ迫の度合いを考えると、今のところ現実的に(宣言を)検討しなくてはいけない状況にはないという判断をしている」との見解を示した。