【兵庫県知事選】斎藤元彦前知事 声援多数で“勝ちの目”出るも他陣営が首をかしげる“豪華すぎる選挙態勢”
斎藤元彦元知事の失職に伴う兵庫県知事選(17日投開票)が31日に告示され、過去最多の7人が立候補した。亡くなった元局長の告発文書問題や、“パワハラ疑惑”に“おねだり疑惑”など、多くの疑惑が現在も取りざたされている斎藤前知事にとって、出直し選挙となる。 【写真】“疑惑”の斎藤前知事に大勢の聴衆が 街頭に立てば“ファン”が殺到するなど、意外な勢いを見せる斎藤前知事だが、他陣営からは、ある“疑念”が寄せられている。 「2021年の初当選した県知事選で自民、日本維新の会の推薦を受けた斎藤さんですが、県公報に発表されている令和4年分の政治資金報告書によれば、2つある政治団体の約7割の収入が自民党関係からの寄付でした。つまり、選挙資金はほぼ自民の丸抱えだったことがわかっています。今回は自民、維新の支援がないため、当然“貧しい選挙”になるはず。ただ、斎藤さんは前回の知事選と遜色ない選挙態勢を整えているんですよ」(政治部記者) いったいどんな豪華な陣営なのか。 「まず事務所は、神戸市内の目抜き通りに近い一等地です。また、スタッフが足りないのか、一部のポスター張りなどは業者に頼んでいます。縦横に広い兵庫県ですから、国政政党の立憲と国民の支援を受けている稲村和美さんですら、貼り切れていない場所もあるくらいですが、斎藤さんのポスターも同程度には貼られています。 じつは、斎藤さんは昨年7月に政治資金パーティーを開いていますが、そこでおよそ1600万円ほどの収入があったはず。しかし、繰越金と合わせても今回の選挙はそれだけでは賄える感じではないんです。費用がどこから出ているのか、県政関係者はみな不思議がっています」(同前) また、斎藤前知事の街宣に、毎回のように出来る支援者らしき人だかりにも違和感があるという。 「別々の場所に“同じ家族連れがいた”という証言もあります。もちろん、熱心な斎藤さんの“支持者家族”である可能性が高いでしょうが……。とはいえ、公示日の初日の第一声では神戸市内の広場に300人以上が集まりました。斎藤さんの一言、一言に、『がんばれ』、『負けるな』といった、大きな声援が飛んでいました。 斎藤さんは、県政関係者に自分が知事では困る“守旧派”がいるとした上で、『斎藤か、斎藤以外か』だと訴えていました。少なくはない県民からの批判があった斎藤さんに、これだけの公然支持者が集まっていることに、組織的な動員も感じられるのですが、まだはっきりしません」(同前) 斎藤前知事は今回の知事選に当たり、都知事選で“石丸伸二旋風”を巻き起こした選挙コンサルタントに接触したものの、断られたという。その結果、都内のPRコンサルタント会社を経営するA氏がその任に就いたとされる。先の記者がこう続けた。 「A氏は斎藤さんと同世代の元官僚です。政治塾のようなこともしており、実際、先の総選挙では、日本維新の会の候補者を複数、塾生から輩出しています。今回、維新の会は公認候補を立てることができませんでした。しかし、参議院議員を辞めて維新を離党した清水貴之さんを主に支援しているとされます。ただ、自民党の神戸市議の一部も清水さんを支援するなど、多少ねじれている状況です。こうした混乱の中、維新の支持者の一部が、斎藤さんの応援に回っている可能性があります」(同前) 現在は、圧倒的に元尼崎市長の稲村氏が優勢だというが、盤石の“選挙態勢”で斎藤前知事にも勝ちの目がある。 「清水さんの支持が広がっていないという情報もあり、いわゆる保守票が斎藤さんに集中すれば、稲村さんもうかうかできない展開になりますね。これで斎藤さんが“復活”したら、一連の騒動はいったい何だったのかと思われそうですが……」(同前) まだ一波乱ありそうだ。