【高次元の図形問題】「4次元立方体の3次元空間R3での展開図」が、なぜ8個の立方体であらわされるのか説明できますか
片方の立方体を移動させて積み上げると!
さて、この図形に次のような操作を加えます。この中身の詰まった立方体2個のうち、時刻0秒から1秒までを跨いでいるものを動かし、中身の詰まった立方体を2個、縦に積んでみましょう(図6)。すると、「中身の詰まった立方体」2個は「時刻0秒のところ」に入ります。 アタマがこんがらがってきた方もいるかもしれません。そういうときは、以下のように、次元を下げて類推することが大事です。「容れ物」は4次元のままで次元を下げませんが、「中に入っている図形」の次元を下げます。
4次元空間R4の中の「1次元の線分」はどうなる?
次元を下げて線分で考えます。まずは、1次元の線分からです。 4次元空間R4の時刻0秒に線分を置きます。条件は、さきほどと同様です。この線分の上の点だけを1秒間時間経過させます。結果、線分は2つになります(図7の上)。このときも2つの線分の長さは同じです。 さらに、2個の線分のうち、時刻0秒から1秒まで存在しているほうを動かして線分同士を縦に積みます。それが、図7の下です。 次に平面で考えてみましょう。条件はさきほどと同じです。
4次元空間R4の中の「2次元の正方形」はどうなる?
図8の上をご覧ください。 時刻0秒に中身の詰まった正方形を置きます。このうち正方形の上の線分だけを1秒間時間経過させます。結果、中身の詰まった正方形が2つ得られます。さらに、2個の正方形のうち、時刻0秒から1秒まで跨いで存在しているほうを動かし、もう1個の上に積み重ねます(図8の下)。 どうですか。だんだん見えてきたことでしょう。 では、中身が空の4次元立方体を展開してみましょう。
4次元立方体を展開していくと!
4次元空間R4に4次元立方体を置きます。 時刻0秒のところと、時刻1秒のところのそれぞれに1個の3次元立方体が含まれています。 時刻0秒のところの「中身が詰まった3次元立方体」に注目してください。その境界は「中身が空の3次元立方体」です。これは6個の面(=「中身が詰まった正方形」)から構成されます。 これら6面のそれぞれを時刻0秒から時刻1秒まで動かします。すると、それぞれの面の軌跡は「中身が詰まった3次元立方体」になります。図5、および、これまで見てきた、次元のより低い例から類推してください。 然るに、「中身が詰まった4次元立方体」の境界は次です。「中身が詰まった3次元立方体」が時刻0秒に1個、時刻1秒に1個、0秒から1秒を跨ぐものが6個です。合計8個です。これは、「中身が空の4次元立方体」は、8個の「中身が詰まった立方体」を合わせてできているということです。