【高次元の図形問題】「4次元立方体の3次元空間R3での展開図」が、なぜ8個の立方体であらわされるのか説明できますか
1つ次元を下げて、2つの正方形を考えると
1つ次元を下げてみましょう。立方体の展開図をもう一度考えてみます。「中身が空の3次元立方体」は2次元の図形でした。これは、「中身が詰まった3次元立方体」の境界です。また、「中身が詰まった2次元立方体(=中身の詰まった正方形)」6個の寄せ集めです。 まず、こういう操作を考えます(図3を参照)。 3次元空間R3(アールスリー:Rは二重線、3は肩付き)を用意します。これを「x, y, t軸」の座標を表します。 2つの正方形が90度でつながっているとします。一方の正方形はxy平面に、ピタッとくっついています(xy平面に含まれていると言ってもいいです)。 ここで、水平に置かれている正方形をもう一方と同様にxy平面にくっつくように動かします。2個の正方形がxy平面に含まれた状態になります。
「中身が空の3次元立方体」の展開図
次に、中身が空の3次元立方体をさきほどと同様に、x, y, t軸座標で表される3次元空間R3内に置きます。立方体の6面中の1つの面がxy平面にくっついています(図4)。 立方体の6面中、xy平面に垂直なものは4個です。 まず、図4の真ん中の図のように正方形3枚だけを動かしxy平面にピタッとくっつけます。続いて、残り2枚も動かし、xy平面にくっつくようにします。これで展開完了です(図4右)。
4次元立方体を実際に展開してみよう
いよいよ4次元を見ていきます。 たて・よこ・たかさ・時間で特徴づけられる4次元空間R4(アールフォー:Rは二重線、4は肩付き)を用意します。 まず、この4次元空間R4の時刻0秒のところに、1辺の長さが1の「中身が詰まった立方体」を置きます。 次に、この立方体の上面である「中身が詰まった正方形」だけを1秒間、時間経過させます。この正方形は時間軸方向に1秒分動いたとイメージしてください。(4次元空間R4の中の)3次元空間R3には自然に長さが決まります。なので長さ1というものが決まっています。 単位をメートルなどなにかに決めてもいいですが、単位を書かずに話を進めます。ここでは、4次元空間R4の中の「点、1秒ぶんの軌跡」である線分の長さを1と決めます。 するとこの面は「中身の詰まった立方体」になります(図5)。 この図5は、中身の詰まった立方体2個を90度で貼り合わせたものです。見えますか? 見えない!という方は、この図5は、2次元平面に描かれていることに注意してよーく見てください。図3の次元を1個上げてイメージしてみましょう。 このとき、2つの立方体が接している部分は「中身の詰まった正方形」です。この、2個の中身の詰まった立方体のうち、片方の立方体は「時刻0秒のところ」にすべて含まれています。もう一方の立方体は、時刻0秒から時刻1秒までを「跨(また)いで」います。