53歳で脳卒中を経験した栄養学者が明かす、血圧を下げるためにやった2つのこと(海外)
栄養学者のティム・スペクター(Tim Spector)氏は2012年に脳卒中を起こし、自分が高血圧であることを知った。 血圧を下げるため、スペクター氏は食生活を見直したという。 ただ、珍しいことに、塩分摂取量を減らすことは同氏の食生活の見直しに含まれていなかった。 2012年、スキーで山を滑り降りようとしたティム・スペクター氏は、全てが二重に見え始めた。疫学者で、栄養学者でもあるスペクター氏は無事に滑り降りることができたものの、のちに軽度の脳卒中を起こしていたことが分かった。 スペクター氏は当時、53歳だった。医学雑誌『Stroke』に2021年に掲載された研究によると、同氏が生まれ育ったイギリスでは脳卒中の発症平均年齢は74歳だが、それに比べればまだまだ若かった。 脳卒中は主に高齢者がなるものと考えられているが、若年層でも脳卒中を起こす人が増えている。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のデータによると、2020~2022年の18~44歳における脳卒中の罹患率は、2011~2013年に比べて14.6%増加した。 栄養と科学の会社「Zoe」の共同創業者でもあるスペクター氏は、脳卒中を起こした後に高血圧と診断された。アメリカ心臓協会(AHA)によれば、これはよくあることだという。脳卒中を起こす人は大抵、血圧が高いからだ。 脳卒中を経験したスペクター氏が血圧を下げるためにやった2つのことをBusiness Insiderに明かした。
塩の代替品を食生活に取り入れた
一般的に、高血圧の患者は塩分を控えるよう言われることが多い。塩分が体内の水分量を増やし、血管内の圧力を高めるからだ。 ただ、スペクター氏は塩分抜きの「味気ない食べ物」を食べるのが辛かったと話している。また、同氏は食塩非感受性高血圧なので、塩を食べても血圧に大きな影響はなかったようだ。 そこでスペクター氏は、世界保健機関(WHO)が高血圧を軽減するのに推奨しているカリウム ── 具体的にはカリウムから作られた代用塩 ── をより多く使うようにした。 AHAによると、体内のナトリウムとカリウムの濃度は互いに影響し合うため、カリウムの摂取量が増えるほど、ナトリウムの排泄が促される。カリウムには血管の壁を柔らかくし、血管内の圧力を下げる働きもあるという。