MLBドラフト指名・西田陸浮(22)が語る 東北高で出場かなわなかった甲子園と、渡米後の軌跡
オレゴン大学でプレーしていた西田陸浮(りくう)が、シカゴ・ホワイトソックスからドラフト11巡目(全体329位)で指名を受けた。日本選手のMLBドラフト指名は、ヤンキースに指名された加藤豪将内野手以来、10年ぶり。生まれは日本、野球に本腰を入れたのは中3からで、米国の大学に進学して実績を上げた末の快挙だ。西田は、日本の高校野球をどう思うのだろうか。そして、経営者としての夢にもまい進する西田が目指す将来の姿とは。(取材・文:杉浦大介/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
野球に本腰を入れたのは中3から
「経営者になるっていうのが中学生からの夢やった。“プロ野球選手より経営者”っていう感じですね。野球が好きで、たまたまプロ野球選手になれた」 MLBのドラフト指名というと大変な偉業だが、その直後にこんなことを言ってのけるのだから、西田陸浮は異色の日本選手といっていいだろう。 ドラフト前に全部で18球団と話をしたという22歳は、強烈な期待感を持って“運命の日”を迎えたかといえば、必ずしもそうではなかった。 「(ドラフト当日は)日本にいたので実はギリギリまで寝ていたんです。でも指名された時にはちゃんと起きてましたよ。お父さんと喜んで、その後すぐ寝ました。わりとリラックスしていたのかなとは思います(笑)」
大阪の枚方市に生を受けた西田は小学2年生から枚方リトルリーグに入ったが、野球に本腰を入れたのは中学3年生のときだったという。東北高校で甲子園を目指すも、決勝で仙台育英に敗れて思いはかなわず、卒業後はマウントフッド・コミュニティーカレッジ(オレゴン州)に留学。多くのメジャーリーガーを輩出してきたオレゴン大に編入を果たし、身長167cmと小柄ながら、俊足好打の内外野手として全米大学体育協会(NCAA)1部でも打率.312、25盗塁の好成績を残して道を開いた。 こういったユニークな道のりを歩む西田はいわゆる“熱血野球少年”ではなく、その球歴について尋ねられても大胆でユーモラスな発言を残すことは少なくない。