原巨人5連勝の裏に一枚上手の采配力
巨人が18日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦に4-2で快勝し5連勝。貯金を今季最多の「8」にして独走態勢を固めた。先発のサンチェスが8回まで1安打1四球無失点の好投を続けたが、勝利を呼び込んだのは、右打者を8人並べるなど、大幅な打線変更を行い、随所に仕掛けを見せた“原采配“である。試合前に直接打撃指導をしていたウィーラーが先制点を奪うなど原マジックは冴えに冴えている。セ・リーグの6球団の監督の中で、その采配力は群を抜いているとの高い評価の声が聞こえてきている。
対今永戦略に右打者8人
9回二死満塁…4-2にされ一打同点のピンチにも原監督は動じない。リリーバーの中川が代打・桑原を変化球でスイングアウトに取ると、笑顔でベンチを飛び出し、9回に4連打されるまで、あわや完封勝利の力投を見せたサンチェスの肩をポンポンと叩いた。 ハマスタの場内にヒーローインタビューに応じるサンチェスの英語が響く。 「中川がいいピッチングすることを応援していた。アウトをとってくれると思っていたよ。今日は、状態がよくて、タイミングとか、ピッチング内容が良かった。特にコントロールと、変化球のコンビネーションがうまくいった」 8回まで1安打1四球9奪三振。ラミレス監督が、「ストライクが多く予想より良かった。今日は、恐れ入りましたというようなピッチングをされた」と、両手を上げたサンチェスのピッチングが勝因だが、ボディブローのように効いた“原采配“も見逃せない。 原監督は、丸を2番に入れ、坂本を3番、ウィーラーを6番、陽を7番に入れる23試合で22通り目となる新打順を組んだ。左腕の今永対策に8人の右打者を並べたのである。 2回。先頭の中島が詰まりながらもセンター前ヒットで出塁するとウィーラーもレフト線へのヒットで続いた。鈍い音をさせバットの根っこで打った打球だったが、しっかり振り切ったからヒットゾーンに落ちた。レフトの佐野からサードの宮崎への送球がそれ、バックネット前まで到達してしまうという横浜DeNAの痛恨の守備の乱れも誘って先取点を奪ったのである。実は、試合前、原監督は、ウィーラーと丸の2人に直接、技術指導を行っていた。ウィーラーには、体重移動について話をしていたように見えたが、いきなり結果につながった。これも“原マジック“である。