阪神泥沼1勝6敗と横浜DeNA破竹5連勝の差はどこに…矢野監督の”迷走”とラミレス監督の”深慮”
阪神が26日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦に0-6の完封負けを喫して早くも借金は「5」に膨らんだ。横浜DeNAの先発が左腕の今永昇太だったため矢野監督は、開幕7試合目にして左腕を苦手とするボーアだけでなく、糸井嘉男もスタメンから外し、北條史也、大山悠輔、上本博紀ら右打者を6人並べたが、5安打無得点と不発に終わった。8回には右の北條に代え、左の糸原健斗を今永にぶつけ、巨人戦で失敗したドラフト6位のルーキー、小川一平を1点差、しかも主軸に回る打順に起用し炎上するという“迷走采配“。対西勇輝対策を徹底してチャンスを待ち、外国人枠に絡みがあるとはいえ、6点差でセットアッパーのパットンを使ったラミレス監督の采配とは対照的だった。
スタメンから消えたボーアの名前
開幕7試合目にしてスタメンからボーアの名前が消えた。神宮でのヤクルト3連戦で初ヒット&初長打を記録。少し上向きの兆候が出てきたが、横浜DeNAの先発が左腕の今永とみるやスタメンから外した。左腕には、ここまで25打席23打数ノーヒット。メジャー時代にも対左は苦手としており、まったくタイミングが取れていなかった。 矢野監督は、「総合的判断」と言い、井上一樹打撃コーチは「もうお試し期間ではないので対今永で最善のオーダーを並べた」と説明したが、あまりに早い決断。 元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏も、「外国人だけは、いつどんなタイミングで打ち出すかわかりません。そもそも“やれる”とフロントが判断して2億円以上もの大金をはたいて獲得してきたのでしょう。7試合で外すなら、なんのために獲得してきたのか?ということですよね。最低でも、ひとまわりの15試合、50打席を目安に我慢すべきだというのが僕の意見です」と、この采配に疑問を呈す。 試合前のバッティング練習で、ボーアは、ライトスタンドを超える場外弾を放っていた。当たれば怖い。 ラミレス監督は、梶谷、ソト、オースティン、佐野、ロペス、宮崎と並ぶ打線を「相手に恐怖を与えることができる打線」と評したが、パワーという名の恐怖感は投手の手元を狂わせる可能性がある。 ボーアだけではない。手術明けの糸井も“休養日”の意味合いを含めてスタメンから外し、代わりに一塁に大山、レフトに陽川を抜擢。ここまで相手投手の右左でツープラトン起用している北條、上本という右打者をラインナップに並べる徹底ぶりだった。確かに大山、上本は昨年共に対今永に打率.333と相性は良かった。矢野監督には、調子のいい控え組の反発力と、生え抜きの力が低迷している打線を変える突破口になることへの期待感もあった。