3歳からボールを握っていた…“打撃の職人”巨人・篠塚和典氏の成長秘話 ドラフト1位指名も喜べなかった理由は「巨人の星」!?
長嶋監督「俺が責任を取る」
この年の巨人のドラフトで駒澤大学の中畑清氏は3位指名だった。 篠塚: 報知新聞に「ドラフト、巨人、中畑1位」って出たら、みんな、そう思うじゃないですか。中畑さんも「そう思ってた」って。僕の1位指名に「『誰だ、そいつ』って思った」って言ってましたもん。 徳光: 完全に隠し通したわけですね。 篠塚: 長嶋さんは、「他の人はみんな反対した」って言ってましたしね。 徳光: ミスターはシノさんの1位を推したけど、他の人は反対したんだ。 篠塚: 長嶋さんが「見てろ、俺が責任取るから」って言ってくれたって。僕は入って2~3カ月くらい経ってから、それを聞いたんですよ。プレッシャーじゃないですけど、そこからは「長嶋さんに恥をかかしちゃいけない」っていう、それのみですね。 徳光: 「病気が治ったらしいけど、まだ良くなってないってことにしてくれ」みたいなことを長嶋さんが言ったという話を聞いたんですが。 篠塚: 病院の院長先生ですね。ミスターが最初に院長に連絡を入れて、院長から「大丈夫だ」っていう確約をもらったみたいなんですよ。そのとき院長に、「他の球団からそういう確認がきたら『まだダメ』って言ってくれ」って(笑)。 徳光: 長嶋さんは銚子商業には来たんですか。 篠塚: ドラフトから3日くらい経ってから来ましたね。 徳光: 銚子商業は大騒ぎになったでしょう。 篠塚: 大騒ぎでしたね。僕は親と一緒にお店で監督とお会いして。 徳光: そのとき会ったのが初めてなんですか。 篠塚: 初めてでした。長嶋さんとパッと目が合ったとき、僕には瞳がグリーンに見えたんです。 徳光: 長嶋さんの瞳が? 篠塚: はい。それがすごく印象的でしたね。で、いろいろしゃべりました。最終的にミスターから、「お前は病気もしてるし、3年間ファームでじっくり鍛えるから」って言われて、それからだんだんテンションが上がってきたんですよ。 徳光: 余裕があるってことですか。 篠塚: はい、そうです。 徳光: 当時、ドラフト1位といえば普通は即戦力として採るわけでしたけど、3年間の猶予を考えて1位指名するのは、長嶋さんも相当勇気がいったでしょうね。 篠塚: そうでしょうね。 (BSフジ「プロ野球レジェン堂」 24/7/9より) 【中編に続く】
プロ野球レジェン堂
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