愛と発信で支える復興と未来。元Juice=Juiceリーダー・宮崎由加が見つめる能登と石川 #知り続ける能登 #災害に備える
──Juice=Juice結成後、皆さんは日本武道館公演という大きな目標に挑みました。当時、日本武道館を目指す決断はどのように下されたのですか。 2013年にデビューして、初めのうちは必死に目の前のステージや活動に食らいついていく日々で、大きな目標を掲げる余裕もありませんでした。でも、2014年の年末ごろ、ハロー!プロジェクトの後輩グループも出てくる中で、自分たちの立ち位置や将来について大げんかをしながら話し合う時期が訪れました。その時期は、正直みんなバラバラでした。みんなやりたいことというか、目指してるものはいろいろあるんだけど、 同じ方向を向いてないというか。「このままじゃダメだよね」ということで本音でぶつかり合って、 その中で「日本武道館でライブしたい」となって。そこで、全国でライブをすることを決めました。事務所から言われたのではなく、5人のメンバーで話し合って決めました。私たちはアイドルだから、スキルアップはもちろん、いろんな人に愛されないといけない。だから、 とにかくみんなに会いに行こうという活動でした。1年4カ月かけてJuice=Juiceとして225公演、さらにその間、ハロー!プロジェクトのライブ出演で公演数を積み重ねていき、2016年11月7日、日本武道館のステージに立つことができました。
グループを愛し続ける覚悟
──Juice=Juiceで活動する中で、特に大変だと感じたことはどんなことですか。 歌やダンス、パフォーマンス面のプレッシャーはもちろん大きいのですが、私が特に大変だと感じたのは「グループの変化にどう向き合うか」という点でした。その中でも、メンバー増員は大きな分岐点だったと思います。 当初5人で始まったJuice=Juiceは、ファンの方にも愛され、私自身もこの5人が大好きでした。だけど、もっともっとこのグループが活躍するためには、 増員も一つの方法だと思いました。5人で目指す未来もあったんですけど、 新しく仲間が増えた状態で見えるものも、すごく夢があると考えて。最終的には5人でメンバーを増員することを決めました。 正直、戸惑いは大きかったです。ファンの皆さんの中にも不安を感じる方は多かったし、オリジナルメンバーである私たちにも「この先どうなるんだろう」という気持ちがありました。みんなの戸惑いを感じる中で、私にできることは「誰よりもJuice=Juiceを好きであること」だと決意しました。 私がグループで一番になれるものってなんだろうと思ったときに、 グループを一番好きでいることかなと思うようになって。それまでも心から好きだったんですけど、 もっともっと私が大好きって思えるグループにしたいと思って、 メンバーを迎えるとき、とにかく誰よりも大きな愛で迎えようと決めました。私たちの心の中に少しでも不安があったら、ファンの方は受け入れ態勢を整えることができません。不安がってる既存メンバーがいたのも見ていたから、 私がまずは受け入れ態勢を整えようと思って。 とにかく新しいメンバー2人を愛でることから始めました。 7人での初めてのコンサートで 新メンバーの瑠々(段原瑠々さん)が歌い出しのフレーズを歌った瞬間の会場のどよめきは、今でも忘れません。その瞬間、会場が揺れたんですよ。本当に。そのとき、「新しいメンバーを受け入れてもらえた」と確信しました。そのプレッシャーに打ち勝った瑠々もかっこいいと思いましたし、オリジナルメンバーの私たちは、いよいよ頑張らないとまずいぞと火をつけてもらった感じもあり、本当にいい2人が入ってきてくれたと思いました。 ──それほどまでに大好きなグループを卒業するときは、どのような思いでしたか。 活動をする中で、つらくてやめたいと思ったことはないのですが、グループが成長していく中で「次に渡すタイミング」は大事だと思っていました。もちろんメンバーもファンもみんな大好きだし、楽しいからずっといたい場所でもあったんですけど、 グループの成長を考えたときに、純粋に今がタイミングかなと思ったんです。ちょうど1人新しいメンバーが入ってきたときでもあり、私がここでやめることで、また新たな可能性も広がるのではないかと。それが24歳のときでした。先のことは具体的には考えていませんでしたが、私自身、自分の育った石川県で何かもっとできる人になりたいという思いも強くなっていた時期でした。 変化を嫌う方もいるかもしれませんが、 逆に変化がないと、現状を維持することも難しいじゃないですか。私は昔から、とにかく「Juice=Juiceファミリーの輪を広げたい」ってよく言ってたんですけど、そういう意味で、ファミリーの輪を広げていくには、同じメンバーでやるのもすごく大事なことだけど、 メンバーが増えて変化が起きることで、新たな面白いものをそれぞれに見つけてもらえると思ったんです。