発達障害「グレーゾーン」「軽度」の人が感じている「生きづらさ」って何?
発達障害かもしれない…そんな不安をいだいて受診をしたものの、診断がつかず戸惑った経験をした人もいるのではないでしょうか。
発達障害のグレーゾーンとは?
発達障害グレーゾーンとは、「発達障害の特性が見られるものの、診断基準には満たない状態」で、医学的な診断名ではありません。 「診断名がつかないなら、普通に生活できるのでは?」と思われがちですが、それこそがグレーゾーンの人たちが直面する困難(支援を受けられず、理解も得られにくい)かもしれません。 また、発達障害と診断されていても、その程度が軽度である場合、難しさに行き当たるケースもあるようです。 今回は、東京で4人の子どもと暮らしているライター・岡本ハナさんが抱いた「障害が軽度だから、つらい」という複雑な想いをお伝えします。
自宅から通いやすい通所施設を探して…
こんにちは、岡本ハナです。私の長女はADHDと強迫性障害を併せ持つ、いわゆる発達障害児です。 障害があったり、発達が気になる就学児が通所する「放課後等デイサービス」(放デイ)を利用する際に必要な「受給者証」を取得した私たちは、さっそく通所希望の事業所に電話をしたのですが…。すんなりとはいきませんでした。 放デイのパンフレットやホームページを見ると、子どもへのアプローチが多種多様でした。ダンスや体操など体を動かすことをウリにしたものから、読み書きや計算など学習サポートをメインにするものなどなど。 どれも魅力的だけど、週2回通所することを考えると、自宅から距離が近いことを優先させたいなと思いました。 その理由は、ふたつ。幼いきょうだい達を連れての送迎は考えられないこと。そして、当時の長女は強迫性障害で、清潔に対して強いこだわりがあったこと。 手すりに少し触れただけでも、汚くないかと一日中気にしてしまう長女。それが頻繁にあると、正直私もツライ…。ですので、このころは公共交通機関を利用することを避けていたのです。 私は「自宅から距離が近いこと」を第一条件として探し始めました。