発達障害「グレーゾーン」「軽度」の人が感じている「生きづらさ」って何?
数年待ちもザラってホント?
最初に見学申し込みの電話をした放デイは、自宅からほど近く、きょうだい達が通う保育園にも近い”家族にとって”ちょうどいい距離。しかし、電話口の担当者は申し訳なさそうに一言。 「見学に来ていただいても、かなり多くの人がキャンセル待ちの状態なので、無駄足にさせてしまうことになると思います。年度初めであっても、ほとんどの利用者が継続希望をだされるので、場合によっては何年もお待たせさせてしまうかもしれません」 あれれ……この感じ、とってもデジャブを感じる。そうだ!小児精神保健科の初診予約の時と同じ状況だ!(受診できるまで長くて半年、平均で三カ月待ちでした) ここでも同じようなつまずきをするなんて。落胆すると同時に、発達障害児の多さと療育を必要としている子どもがそれだけ多いことを実感しました。
療育現場に居場所がない?障害の度合いが軽度な私の娘は…
一軒目で「何年もお待たせさせてしまうかもしれません」と言われて、落胆した私。 気を取り直して、次に見学申し込みをした放デイは「利用曜日は限られてしまいますが、もし良かったらどうぞ!」と、快諾してくれました。さっそく次女(当時1歳)を連れて見学に行ったところ、スタッフの皆さんが優しい! 利用予定の長女本人は連れていけなかったけど、子連れだと子どもへの対応を間近で見ることができるからいいなぁ、なんてほっこり。そんな矢先に…… 「ここは特別支援学校に通う児童が多く利用している事業所です。入退室のときには子ども達が入り乱れてトラブルのもとになりますので、なるべくご兄弟は連れてこないでください」 それは確かにその通り。でも、次の言葉が私の心を突き刺しました。 「本当に療育が必要な子どもが、うちの事業所を選んで来てくれているのです」 担当者の言葉に他意はなかったのかもしれません。 そのまま聞き入れればよかったのでしょう。でも、当時の私にはそれが出来ませんでした。 「優しく出迎えてはくれたけど…。うちの子はどうせ療育ナシでも大丈夫な程度だと思っているんでしょう」 という気持ちを持ってしまい、正式な入所はしませんでした。 「他の子どもと自分の子を比べてしまう罪悪感」と「発達障害が軽度なのがかえって苦しい」という複雑な感情に拍車がかかって、「放デイを利用できるかも」というほっとした気持ちはどこかへ行ってしまいました。(前回の話で書きましたが、すでにやつれ果てている私が潰れてしまうのを防ぐために放デイを利用するという側面もあったのです) 「もういいや、諦めた」 また暗闇に引きずり込まれる私。 そんなときに、電話が鳴って……