【Q&A】「感染リスクを下げ、会食を楽しむ」には? コロナ分科会が提示
「年末年始を静かに過ごすための工夫」や「感染リスクが高まる5つの場面」などを提示してきた政府の新型コロナウイルス対策分科会(尾身茂会長)。飲酒を伴う懇親会・会食でクラスター(集団感染)の発生例が多く、感染リスクが高いことを受け、「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」と題した文書も公表し、尾身会長も会見で発信しています。どのような内容なのでしょうか。
Q:飲酒を伴う懇親会ではどうすれば感染リスクを下げることができるの?
尾身会長は、「飲酒をするのであれば、なるべく少人数で、短時間。なるべく普段一緒にいる人と。家族なんかが典型的」と語りました。逆に、飲み会の場で他のグループと交流などすると感染リスクが高まると述べました。 また、深酒やお店を「はしご」することは控えるよう、合わせて訴えました。
Q:食事のときにもマスクを着用した方がいいの?
分科会は食事の席でもマスクを着用するよう呼び掛けています。具体的には、口に食べ物や飲み物を運ぶときだけマスクを外し、それ以外の会話の際などには着用することを求めています。 マスク以外にも、他人に対する飛沫感染を防ぐ、あるいは身を守る道具をして「フェイスシールド」や「マウスシールド」があります。尾身会長は「一部効果はあるとは思う」としながらも、「文献なんかで総合するとマスクに比べて効果が少ない」と述べ、マスクを推奨しています。
Q:他人の正面に座らない方が良いって本当?
尾身会長はたびたび、座る位置について「真正面や真横を避け、斜め向かい」に座ることが大事だと語っています。 実際に、正面や真横に座った人が感染したものの、斜め向かいでは感染しなかった事例あると言い、斜めに座ることは「非常に大事」だとしています。
Q:お店側でできる対策はあるの?
分科会は、業界ごとに策定されている感染予防のためのガイドラインを遵守(じゅんしゅ)することを飲食店側に求めています。 具体的には、(1)体調の優れない従業員を出勤させない(2)従業員にマスクを着用させる(3)席と席の間にアクリル板を設置する(4)扇風機などを活用して換気する――などを例として挙げています。 尾身会長は、従業員が感染した飲食店でも、ガイドラインの遵守や換気が功を奏し、来店客100人以上に感染者が出なかった例もあると紹介しています。
Q:他に知っておいた方がいいことは?
酒類を伴う飲食の場面に限らず、3密の回避や手洗い・アルコール消毒、飛沫が飛ばないよう静かに会話する、などは感染予防対策の基本として徹底するよう、分科会は呼び掛けています。 感染者と接触したことを知らせる機能がある政府の接触確認アプリ(COCOA)の活用にも触れています。